2014年03月09日
ここは青いボーカロイドのカイト兄さんを中心に、妄想を書き連ねているブログです。
個人の趣味で作られたもので、関係各企業様、動画サイト様、動画の作者様ほか
関係者各位とは一切関係ありません。
また、ブログ内作品で登場人物が特定の動画に言及していても、
その動画を貶める意図は一切ないことをご了承ください。
人生に何の良い影響も与えないブログですので、中学生以下の方は閲覧しないことをお勧めします。
以下にブログの傾向と管理人について。
・普段活動している本命ジャンルがあるので、書きたいものを書いたら撤収する予定です。
・そのため、カップリングや扱うネタに自重が足りません。
・小説も漫画も書きますが、どちらも中途半端です。
・管理人は腐女子です。
・カイト兄さんは受だと思います。
・でも、カイミクも取り扱ってます。
・マスメイ成分も高いです
・ホモもノーマルも出現しますので、どちらかが苦手な人は各作品の注意書きをよくお読みください。
・各作品は特に注意書きがない場合リンクしてません。
・ボーカロイドの設定も統一されてない(実体があったりなかったり)のでご注意ください。
・音楽の知識もコンピュータの知識もない管理人ですので、用語の間違いはご容赦ください。
・唐突にブログが消える場合もあります。ご了承ください。
・カイト兄さんの1人称が「僕」になったときは、8割がた死亡フラグが立ちます。
管理人 :はねだ
ブログ名:道草迷子(みちくさまいご)
リンク先:http://monini.blog71.fc2.com/

(リンクフリーです)
メールアドレス:m-oni_001■mail.goo.ne.jp(■を@に変えてください)
個人の趣味で作られたもので、関係各企業様、動画サイト様、動画の作者様ほか
関係者各位とは一切関係ありません。
また、ブログ内作品で登場人物が特定の動画に言及していても、
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以下にブログの傾向と管理人について。
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・そのため、カップリングや扱うネタに自重が足りません。
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・管理人は腐女子です。
・カイト兄さんは受だと思います。
・でも、カイミクも取り扱ってます。
・マスメイ成分も高いです
・ホモもノーマルも出現しますので、どちらかが苦手な人は各作品の注意書きをよくお読みください。
・各作品は特に注意書きがない場合リンクしてません。
・ボーカロイドの設定も統一されてない(実体があったりなかったり)のでご注意ください。
・音楽の知識もコンピュータの知識もない管理人ですので、用語の間違いはご容赦ください。
・唐突にブログが消える場合もあります。ご了承ください。
・カイト兄さんの1人称が「僕」になったときは、8割がた死亡フラグが立ちます。
管理人 :はねだ
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- | 2014-03-09 19:49
- | その他
- |
2013年03月17日
この辺に目次を↓
小説
長編
■フェアリーテイル
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
カイミク。マスメイ・レンリンも含む。
短編
○現代(実体あり)
■形代……マスカイ 暴力描写があるので注意。
■祝福……形代のマスター視点+蛇足。死にネタ。
■Ariel……ミクカイ(未満) マスメイ、カイマス(女)も含む。
■300 years……Arielの余談。しいて言うならマスメイ。マスター視点。
■Above the waves 1……Arielのマスメイ出会い編。
■Pearly Gates……Ariel、300 yearsの更に続き。カイト視点マスメイ。死にネタ。
■刻印 1 2……レンカイ ナンバリングで悩む兄さん。
■対価と賠償……カイミク。「アイス<妹」な自分に気づいてない兄さん。
■擬物心中顛末記……カイミクで心中ネタ。死にネタな上に嫌な話なのでご注意を。 蛇足
■アイリス……ハル/ディン・ホテルネタでカイリン。死にネタ。
○現代(実体なし)
■パンドラ……カイミク 心を持てない二人。
■休日鑑賞会……カイミク(未満)。二人でPV見ながらだらだらしてるだけの話。
■休日鑑賞会2……↑の続き。今度こそイチャイチャ鑑賞会。
■おしまいの歌……消失ネタ。死にネタ注意。
■Firefly……マス←ミクから始まるカイミク話。バッドエンド風味。
■Nightjar……Fireflyの続き。カイミク未満。
■February Bride……嫁入りPVネタカイミク。
■詭弁とハッピーエンド……『悪ノ/ハッピーエンド』ネタ。舌先三寸兄さん。
■ギクシャクカイミク 1 2 3……カイミク未満のギクシャク兄妹。
■Append Bust……胸はappendしないんですかっ!?(匿名 16歳)
■Love Letter……兄さんからミクへの長ったらしくて暑苦しいラブレター。
■Vivid……カイミクアンソロ寄稿作。ウチでは珍しいまっさらミクさん。
○現代(実体なし・新婚カイミク)
■Sweet……何故か新婚カイミク。
おまけのエロゲ的イベント その1 その2 その3 その4
■Bloom……新婚カイミク馴れ初め話
■Blossom……※R15注意 新婚カイミク。二度目の夜。
■扉の向こう側で……新婚カイミクでカイメイPV鑑賞。焼きもちミクさん。
■週末発生装置……※R18注意 他所様の素敵なイラストから設定パクってきた新婚ミクカイミク。
■Ring……またもや素敵イラストからムラッとして書いた新婚カイミク小ネタ。甘め。
■虹 1 2……新婚カイミクで離婚危機。シリアスぶった馬鹿話。
■Signal……新婚カイミク最終回……っぽい話。
■Catcher in the...……新婚カイミクのイチャイチャ会話。ネギ畑でつかまえて。
■冬のできごと……新婚カイミクで風邪ネタ。
■不健全な午後……新婚カイミク。テーマは「日曜日に寝込みを襲う」。
■ネギと歌とドライヤー(仮題)……省エネ形式で新婚カイミク。妙に甲斐甲斐しい兄さん。
■One and Only 1 2 ……※R15注意 新婚カイミクと体験版ミクの話。ややシリアス。
■チャームポイント……新婚カイミクで馬鹿話。おっぱいネタ。
■期間限定遠距離恋愛 1 2 3…………※R18注意 新婚カイミクでおあずけH。兄さん女体化注意。
■寝室劇団……ホントは新婚組じゃなかったけど、もう新婚組でいいや、なアホ会話。
■新ミク考察……新ミクについて考えるカイミク夫婦。
■冬の風物詩……こたつは必須アイテム。
■3年目ジンクス……マジ○ル☆ぬこミクミク。
■データ交換についての一考察……いつものピロートーク。
■幸せなカップルの5項目……かえでさご様が紹介してたのをチェックしてみました。
■いい○○の日……いい夫婦の日にイチャつけなかったミクさん。
■少女の事情……何かと理由をつけてイチャつきたい奥さん。
■遅く起きた朝には……イチャつき過ぎて寝坊した夫婦。
■ひと月後のリクエスト……誕生日プレゼントにクレームをつけるミクさん。
■制服デート……制服でデートしてみたいミクさん。
■花婚式……四回目の結婚記念日。
★エア発行物(pdf) …… (別窓)新婚カイミクの印刷用まとめ。現在『Signal』まで。
○現代(人間化)
■Honey……カイミク なぜか二人とも人間。社会人と高校生の義兄妹。
■はちみつキャンディ……Honeyの続き。4年後。
■三重奏……カイ←ミク 若干カイメイ。姉夫婦+妹の三角関係?
■Fenugreek……SP/ICE!PVネタのバッドエンド・カイ←ミク。真っ黒ミク。
■おとぎ話の時間はもう終わり 1 2……※R15注意ロミデレネタ。家庭教師と女子高生カイミク。
■オオカミが赤頭巾ちゃんに食べられるまでの話……おとぎ話~の兄さん視点。
■Snowflakes……他所様から設定をお借りした、それぞれにハンデを持つカイミクの話。
※kikurage様作の動画※
■各駅停車カナダ行……※R15注意現代で近親相姦ネタ。踏切突破を目指す兄妹。
■Dance on the edge……※R15注意各駅停車~の続き。二年後。
■ラジオの魔法 1 2 3 4……9年越しのgdgdカイミク。
■ラジオの魔法・続 1 2 3 4 5 6※R15注意……gdgdカイミクがgdgd結ばれるまで。
■女子高生妻カイミク……かえでさごさんのとこの女子高生妻カイミクの設定をお借りしたシリーズ。
高校1年2学期中間テスト(16歳秋)
動物園に行こう(3歳春) 動物園おまけ
ファーストキス(4歳)
主婦見習い(11歳秋)
同学年男子の見解(レン視点)
10対144(15歳初夏)
夢判断(16歳2学期)
真夏の初体験(13歳夏休み)
運命の出会い(1歳)
同学年男子の見解2(レン視点)
クリスマスの予定(16歳晩秋)
血のバレンタイン事件(11歳冬)
モンスターとの遭遇(12歳早春→13歳)
同僚教師の見解(ルカ視点)
手相占いと未来予想図(16歳11月)
144 その2(16歳)
■Missing 1 2……ACU/TEネタでルカ視点の兄さん中心四角関係。死にネタ。
■聖夜、愛妹がビデオデッキに詰まる……聖夜、愛犬が~ネタで、怪奇現象カイ←ミク
■ワガママな猫の飼い方 1 2 3 4 5 6……キャットフードネタ。義兄妹カイミク。
○似非中世もの
■告解……カンタ○ラ方面を目指して失敗したミクカイ。死にネタと生首注意。
■鐘の音が響く前に……レンミク←カイ。『悪ノ』ネタ。『召使』ネタバレ注意。死にネタ。
■カナリア……うっかり続いた『悪ノ』ネタ。「鐘の~」の続き。
■海辺の街で……更に続いた『悪ノ』ネタ。上記二つのその後の話。死にネタ。
■花と星 1 2……駆け落ちカイミクミクカイ。なんちゃって西洋中世+ご都合展開。
■Eden……『眠れる森/にて』ネタ。似非中世カイミク。近親相姦ネタ注意。
■Aschenputtel……『サンドリ/ヨン』ネタ。舞踏会カイミク。死にネタ。
■Gelobte Land……Aschenputtelの続き。死にネタだけど一応ハッピーエンド。
■とある料理人の生涯について……『悪食/娘』ネタ。死にネタ。若干猟奇的につき注意。
■In the moonlight……『mo/onlit bear』と『置き去り月/夜抄』ネタ。死にネタ。ネタばれ注意。
■眠りの前に一杯のお茶を……『眠らせ姫』ネタ。やっぱり死にネタ。
■Patrinia scabiosifolia……『プラトーの花』ネタ。娼婦ミク。ほんのりカイミク。死にネタ。
○和風
■向日葵……『夢みる/ことり』ネタ。江戸じゃなくてカイミクでもないです。死にネタ。
■白百合 1 2 3……向日葵の兄さん視点
○その他
■赤い花……『白黒/の世界』ネタ。レン視点で進む軍人と街娼カイミク。死にネタ。
■幸せな人形……『Dear Decem/ber Doll』ネタ。人間カイトに恋する人形ミク。カイメイ成分含む。
漫画
(■=分類なし ■=M兄さん ■=ミクカイ ■=新婚組)
■カイトの家族紹介漫画
1 2 3
■駆け落ち漫画 ……駆け落ちてないカイミク漫画
■しっとのあらし……あらしよくない
■露兄と白妹……某国擬人化漫画ネタカイミク。
■ニコに関してがんばる……もしかしたらセクハラ。
■兄探知機能付……どこに行ってもみつけられるよ
■在室……在室には童貞って意味があるって、か○でさごさんが言ってた。
■カイト浴場……そんなパラダイスがどこかにあるって、か○でさごさんがry
■パンツ漫画
1 2
■カイミク漫画(2p) ……ネットサーフィンとエロ画像と挟めるか挟めないか漫画
■リンレン漫画……兄さん出ずっぱりのリンレン漫画
1 2 3 おまけ
■新人をめぐるあれこれ漫画
決意(一枚絵) 先制攻撃 模索中 今そこにある敵 家族会議 新人への手紙 新人からの手紙
悩み相談 相談編 回答編 想定外の事態
■裸マフラー漫画……ミクに○姦されてる兄さん漫画
■KAIKO漫画……KAIKO相手でも容赦しないミク漫画
■ミク誕漫画
希望調査 一時避難 避難生活 そして当日
■エア○○……エアカイミク考察漫画
■3939兄さん漫画……うっかりこんなイラスト描いたばかりに、奪われた兄さん漫画
記入場所 察知 発覚 非売品 ポジティブ
■03ネタ漫画 1 2 3 4 5 6 7 ……巡音さん襲来漫画
■新婚カイミク漫画……寝相の悪いミク漫画
■Gift(3p)……新婚カイミクで子供の話
■2/19……結婚記念日2日後
■朝一の楽しみ……むしろチャームポイント
■本気のホワイトデー……本気過ぎる奥さん
■呼び方について……平均値だそうです
■研究材料……研究用だそうです。
小説
長編
■フェアリーテイル
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
カイミク。マスメイ・レンリンも含む。
短編
○現代(実体あり)
■形代……マスカイ 暴力描写があるので注意。
■祝福……形代のマスター視点+蛇足。死にネタ。
■Ariel……ミクカイ(未満) マスメイ、カイマス(女)も含む。
■300 years……Arielの余談。しいて言うならマスメイ。マスター視点。
■Above the waves 1……Arielのマスメイ出会い編。
■Pearly Gates……Ariel、300 yearsの更に続き。カイト視点マスメイ。死にネタ。
■刻印 1 2……レンカイ ナンバリングで悩む兄さん。
■対価と賠償……カイミク。「アイス<妹」な自分に気づいてない兄さん。
■擬物心中顛末記……カイミクで心中ネタ。死にネタな上に嫌な話なのでご注意を。 蛇足
■アイリス……ハル/ディン・ホテルネタでカイリン。死にネタ。
○現代(実体なし)
■パンドラ……カイミク 心を持てない二人。
■休日鑑賞会……カイミク(未満)。二人でPV見ながらだらだらしてるだけの話。
■休日鑑賞会2……↑の続き。今度こそイチャイチャ鑑賞会。
■おしまいの歌……消失ネタ。死にネタ注意。
■Firefly……マス←ミクから始まるカイミク話。バッドエンド風味。
■Nightjar……Fireflyの続き。カイミク未満。
■February Bride……嫁入りPVネタカイミク。
■詭弁とハッピーエンド……『悪ノ/ハッピーエンド』ネタ。舌先三寸兄さん。
■ギクシャクカイミク 1 2 3……カイミク未満のギクシャク兄妹。
■Append Bust……胸はappendしないんですかっ!?(匿名 16歳)
■Love Letter……兄さんからミクへの長ったらしくて暑苦しいラブレター。
■Vivid……カイミクアンソロ寄稿作。ウチでは珍しいまっさらミクさん。
○現代(実体なし・新婚カイミク)
■Sweet……何故か新婚カイミク。
おまけのエロゲ的イベント その1 その2 その3 その4
■Bloom……新婚カイミク馴れ初め話
■Blossom……※R15注意 新婚カイミク。二度目の夜。
■扉の向こう側で……新婚カイミクでカイメイPV鑑賞。焼きもちミクさん。
■週末発生装置……※R18注意 他所様の素敵なイラストから設定パクってきた新婚ミクカイミク。
■Ring……またもや素敵イラストからムラッとして書いた新婚カイミク小ネタ。甘め。
■虹 1 2……新婚カイミクで離婚危機。シリアスぶった馬鹿話。
■Signal……新婚カイミク最終回……っぽい話。
■Catcher in the...……新婚カイミクのイチャイチャ会話。ネギ畑でつかまえて。
■冬のできごと……新婚カイミクで風邪ネタ。
■不健全な午後……新婚カイミク。テーマは「日曜日に寝込みを襲う」。
■ネギと歌とドライヤー(仮題)……省エネ形式で新婚カイミク。妙に甲斐甲斐しい兄さん。
■One and Only 1 2 ……※R15注意 新婚カイミクと体験版ミクの話。ややシリアス。
■チャームポイント……新婚カイミクで馬鹿話。おっぱいネタ。
■期間限定遠距離恋愛 1 2 3…………※R18注意 新婚カイミクでおあずけH。兄さん女体化注意。
■寝室劇団……ホントは新婚組じゃなかったけど、もう新婚組でいいや、なアホ会話。
■新ミク考察……新ミクについて考えるカイミク夫婦。
■冬の風物詩……こたつは必須アイテム。
■3年目ジンクス……マジ○ル☆ぬこミクミク。
■データ交換についての一考察……いつものピロートーク。
■幸せなカップルの5項目……かえでさご様が紹介してたのをチェックしてみました。
■いい○○の日……いい夫婦の日にイチャつけなかったミクさん。
■少女の事情……何かと理由をつけてイチャつきたい奥さん。
■遅く起きた朝には……イチャつき過ぎて寝坊した夫婦。
■ひと月後のリクエスト……誕生日プレゼントにクレームをつけるミクさん。
■制服デート……制服でデートしてみたいミクさん。
■花婚式……四回目の結婚記念日。
★エア発行物(pdf) …… (別窓)新婚カイミクの印刷用まとめ。現在『Signal』まで。
○現代(人間化)
■Honey……カイミク なぜか二人とも人間。社会人と高校生の義兄妹。
■はちみつキャンディ……Honeyの続き。4年後。
■三重奏……カイ←ミク 若干カイメイ。姉夫婦+妹の三角関係?
■Fenugreek……SP/ICE!PVネタのバッドエンド・カイ←ミク。真っ黒ミク。
■おとぎ話の時間はもう終わり 1 2……※R15注意ロミデレネタ。家庭教師と女子高生カイミク。
■オオカミが赤頭巾ちゃんに食べられるまでの話……おとぎ話~の兄さん視点。
■Snowflakes……他所様から設定をお借りした、それぞれにハンデを持つカイミクの話。
※kikurage様作の動画※
■各駅停車カナダ行……※R15注意現代で近親相姦ネタ。踏切突破を目指す兄妹。
■Dance on the edge……※R15注意各駅停車~の続き。二年後。
■ラジオの魔法 1 2 3 4……9年越しのgdgdカイミク。
■ラジオの魔法・続 1 2 3 4 5 6※R15注意……gdgdカイミクがgdgd結ばれるまで。
■女子高生妻カイミク……かえでさごさんのとこの女子高生妻カイミクの設定をお借りしたシリーズ。
高校1年2学期中間テスト(16歳秋)
動物園に行こう(3歳春) 動物園おまけ
ファーストキス(4歳)
主婦見習い(11歳秋)
同学年男子の見解(レン視点)
10対144(15歳初夏)
夢判断(16歳2学期)
真夏の初体験(13歳夏休み)
運命の出会い(1歳)
同学年男子の見解2(レン視点)
クリスマスの予定(16歳晩秋)
血のバレンタイン事件(11歳冬)
モンスターとの遭遇(12歳早春→13歳)
同僚教師の見解(ルカ視点)
手相占いと未来予想図(16歳11月)
144 その2(16歳)
■Missing 1 2……ACU/TEネタでルカ視点の兄さん中心四角関係。死にネタ。
■聖夜、愛妹がビデオデッキに詰まる……聖夜、愛犬が~ネタで、怪奇現象カイ←ミク
■ワガママな猫の飼い方 1 2 3 4 5 6……キャットフードネタ。義兄妹カイミク。
○似非中世もの
■告解……カンタ○ラ方面を目指して失敗したミクカイ。死にネタと生首注意。
■鐘の音が響く前に……レンミク←カイ。『悪ノ』ネタ。『召使』ネタバレ注意。死にネタ。
■カナリア……うっかり続いた『悪ノ』ネタ。「鐘の~」の続き。
■海辺の街で……更に続いた『悪ノ』ネタ。上記二つのその後の話。死にネタ。
■花と星 1 2……駆け落ち
■Eden……『眠れる森/にて』ネタ。似非中世カイミク。近親相姦ネタ注意。
■Aschenputtel……『サンドリ/ヨン』ネタ。舞踏会カイミク。死にネタ。
■Gelobte Land……Aschenputtelの続き。死にネタだけど一応ハッピーエンド。
■とある料理人の生涯について……『悪食/娘』ネタ。死にネタ。若干猟奇的につき注意。
■In the moonlight……『mo/onlit bear』と『置き去り月/夜抄』ネタ。死にネタ。ネタばれ注意。
■眠りの前に一杯のお茶を……『眠らせ姫』ネタ。やっぱり死にネタ。
■Patrinia scabiosifolia……『プラトーの花』ネタ。娼婦ミク。ほんのりカイミク。死にネタ。
○和風
■向日葵……『夢みる/ことり』ネタ。江戸じゃなくてカイミクでもないです。死にネタ。
■白百合 1 2 3……向日葵の兄さん視点
○その他
■赤い花……『白黒/の世界』ネタ。レン視点で進む軍人と街娼カイミク。死にネタ。
■幸せな人形……『Dear Decem/ber Doll』ネタ。人間カイトに恋する人形ミク。カイメイ成分含む。
漫画
(■=分類なし ■=M兄さん ■=ミクカイ ■=新婚組)
■カイトの家族紹介漫画
1 2 3
■駆け落ち漫画 ……駆け落ちてないカイミク漫画
■しっとのあらし……あらしよくない
■露兄と白妹……某国擬人化漫画ネタカイミク。
■ニコに関してがんばる……もしかしたらセクハラ。
■兄探知機能付……どこに行ってもみつけられるよ
■在室……在室には童貞って意味があるって、か○でさごさんが言ってた。
■カイト浴場……そんなパラダイスがどこかにあるって、か○でさごさんがry
■パンツ漫画
1 2
■カイミク漫画(2p) ……ネットサーフィンとエロ画像と挟めるか挟めないか漫画
■リンレン漫画……兄さん出ずっぱりのリンレン漫画
1 2 3 おまけ
■新人をめぐるあれこれ漫画
決意(一枚絵) 先制攻撃 模索中 今そこにある敵 家族会議 新人への手紙 新人からの手紙
悩み相談 相談編 回答編 想定外の事態
■裸マフラー漫画……ミクに○姦されてる兄さん漫画
■KAIKO漫画……KAIKO相手でも容赦しないミク漫画
■ミク誕漫画
希望調査 一時避難 避難生活 そして当日
■エア○○……エアカイミク考察漫画
■3939兄さん漫画……うっかりこんなイラスト描いたばかりに、奪われた兄さん漫画
記入場所 察知 発覚 非売品 ポジティブ
■03ネタ漫画 1 2 3 4 5 6 7 ……巡音さん襲来漫画
■新婚カイミク漫画……寝相の悪いミク漫画
■Gift(3p)……新婚カイミクで子供の話
■2/19……結婚記念日2日後
■朝一の楽しみ……むしろチャームポイント
■本気のホワイトデー……本気過ぎる奥さん
■呼び方について……平均値だそうです
■研究材料……研究用だそうです。
- | 2013-03-17 19:50
- | その他
- |
2013年03月16日
メルフォから感想くださった方、ありがとうございます。
アドレスがなかった方だけ、追記にお返事を。
返信不要という方もありがとうございます。とても励みになります。
(5/8追加)
昨年までにお返事した分はこちらへ →■2008 →■2009 →■2010 →■2011
※上へ行くほど新しいです。
5月7日 1時59分送信の方へ
ああ、確かに! 流石に小型衛星は無理ですが、一服盛るくらいはしょっちゅうしてそうですね、ウチの痴女さんw
なるほど勉強になるなあ……と七つ道具をメモってるミクさんの姿が目に浮かぶようですよ。
4月16日 0時28分送信の方へ
まさかのイブさん痴女説w ああでも、あのシリーズではミクの中の人というか中がミクの人というか、そんな感じのイブさんなので、痴女でも当然かもしれませんね。ええ、全ては魅力的すぎる兄さんが悪いのですw
がくぽと兄さんが絡むシーンは、いつの間にか主演女優から監督にジョブチェンジしてるミクによる、兄さんに指一本触れてはならないと無茶な条件のもとに撮影されてると思います。
1月11日 21時22分送信の方へ
バナナイスジャケット、どちらの色も捨てがたいですね!どうしても……と言われたら白背景かなあ。情報ありがとうございます!
アドレスがなかった方だけ、追記にお返事を。
返信不要という方もありがとうございます。とても励みになります。
(5/8追加)
昨年までにお返事した分はこちらへ →■2008 →■2009 →■2010 →■2011
※上へ行くほど新しいです。
5月7日 1時59分送信の方へ
ああ、確かに! 流石に小型衛星は無理ですが、一服盛るくらいはしょっちゅうしてそうですね、ウチの痴女さんw
なるほど勉強になるなあ……と七つ道具をメモってるミクさんの姿が目に浮かぶようですよ。
4月16日 0時28分送信の方へ
まさかのイブさん痴女説w ああでも、あのシリーズではミクの中の人というか中がミクの人というか、そんな感じのイブさんなので、痴女でも当然かもしれませんね。ええ、全ては魅力的すぎる兄さんが悪いのですw
がくぽと兄さんが絡むシーンは、いつの間にか主演女優から監督にジョブチェンジしてるミクによる、兄さんに指一本触れてはならないと無茶な条件のもとに撮影されてると思います。
1月11日 21時22分送信の方へ
バナナイスジャケット、どちらの色も捨てがたいですね!どうしても……と言われたら白背景かなあ。情報ありがとうございます!
- | 2013-03-16 12:00
- | その他
- |
2012年05月06日
実家で掃除三昧の連休でしたよ
せめて最終日は遊ぼうと、ねんどろ写真を撮りましたよ。
ずっと箱のまま放置していた応援兄さんとアベンドミクさんとはじミクさんを開封しましたよ。

せめて最終日は遊ぼうと、ねんどろ写真を撮りましたよ。
ずっと箱のまま放置していた応援兄さんとアベンドミクさんとはじミクさんを開封しましたよ。
結局、新しい家を建てられなかったので、
いつものケースの物置状態になっていた最下段を応援家族の新居にしました。

「ごめんねミク、待たせた上に結局アパート暮らしで」
「そんなの気にしなくていいですよ」
「ぱぱー」

「親子三人で暮らせたらそれで幸せなのです」
「ぱぱー」

「……そうだね、親子三人で……」
「三人……で……」
「ぱぱー、あのひとだれー?」

「あの……どちら様ですか?」
「台座の関係でハーレム入りできないアペンドです。他の段には住めないので居候をさせてください」
「いや……いきなりそんなこと言われても……」
「私、意外とお役に立てますよ?」

「私のことはちょっとお洒落な照明器具だと思ってくだされば……」
「わあ、すごーい」
「すごーい!」
「……いいから、ちゃんと服を着てくれないかな」

話し合いの結果、やっぱりハーレム入りすることになったので、
お別れ前に記念撮影。
髪の色が薄いので、姑(おばあちゃん)ポジションでもいいかなと一瞬思ったのは内緒ですよ。

ハーレム入りにあたっては、シエルぼっちゃんから台座を下賜していただきました。
ジョイントやら何やらを気前よくくれるぼっちゃん、まさに貴族。

そして当然のようにハーレム入りしないはじミクさん。
そのうちスーパーの袋を持つ若妻ミクさんとか、ソフトクリームを食べる兄さんとか、
ソファに座るミクさんとか撮りたいですよ。
いや、はじミクさんははじミクさんで可愛いんですが。

その後の応援一家
ローソンでみつけたかわいい猫(らしき生き物)を飼うことにしました。
なんでも願い事を叶えてくれる、すてきな猫(推定)ちゃんです。

いやな予感しかしないのでw ボディーガードとしてたこルカを派遣してみたり。
いつものケースの物置状態になっていた最下段を応援家族の新居にしました。

「ごめんねミク、待たせた上に結局アパート暮らしで」
「そんなの気にしなくていいですよ」
「ぱぱー」

「親子三人で暮らせたらそれで幸せなのです」
「ぱぱー」

「……そうだね、親子三人で……」
「三人……で……」
「ぱぱー、あのひとだれー?」

「あの……どちら様ですか?」
「台座の関係でハーレム入りできないアペンドです。他の段には住めないので居候をさせてください」
「いや……いきなりそんなこと言われても……」
「私、意外とお役に立てますよ?」

「私のことはちょっとお洒落な照明器具だと思ってくだされば……」
「わあ、すごーい」
「すごーい!」
「……いいから、ちゃんと服を着てくれないかな」

話し合いの結果、やっぱりハーレム入りすることになったので、
お別れ前に記念撮影。
髪の色が薄いので、姑(おばあちゃん)ポジションでもいいかなと一瞬思ったのは内緒ですよ。

ハーレム入りにあたっては、シエルぼっちゃんから台座を下賜していただきました。
ジョイントやら何やらを気前よくくれるぼっちゃん、まさに貴族。

そして当然のようにハーレム入りしないはじミクさん。
そのうちスーパーの袋を持つ若妻ミクさんとか、ソフトクリームを食べる兄さんとか、
ソファに座るミクさんとか撮りたいですよ。
いや、はじミクさんははじミクさんで可愛いんですが。

その後の応援一家
ローソンでみつけたかわいい猫(らしき生き物)を飼うことにしました。
なんでも願い事を叶えてくれる、すてきな猫(推定)ちゃんです。

いやな予感しかしないのでw ボディーガードとしてたこルカを派遣してみたり。
- | 2012-05-06 21:39
- | ねんどろ
- |
2012年04月11日
カイミク要素がない歌に、無理やりカイミク要素を突っ込んでみようぜー
本家様が書く前に妄想を吐きだしちまおうぜー
……という、低い志によって制作されています。
プラトーの花(sm16681173)ネタです。
いつもの通り、無断で好き勝手書いてます。
元ネタが元ネタなので、かなりダメな人の嫌な話です。死にネタ。
お前は夢見がちな子だと、昔からよく人に言われていた。
実際それはその通りで、少女にありがちな、いつか王子様が……という夢を私はいつも胸に抱いていた。同じ年頃の娘達がそれなりの相手に次々と嫁いでいく中、分相応な縁談に頷けなかったのはその夢が捨てきれなかったからだ。
周りの誰もが褒め称える美しさを鼻にかけて玉の輿を狙っていた――という訳ではない。いえ、そんな奢りが全くなかったと言えば嘘になるけれど、一番の理由は「誰か」を待ち続けていたからだ。
私には運命の人がいる。前世から結ばれたその人は、世界中を探してでも必ず私を見つけ出してくれる。――信仰にも似たその思い込みは、幼い頃から私の胸の奥深くに何故かしっかりと根付いていた。
そんな妄想に囚われて、人並みの人生へと促す親の言葉に耳を貸さなかった。
──その報いがこれなのか。
自分の上にのし掛かる男を一瞥して、私は心の中で呪いの言葉を吐く。見た目も声も、生臭い息も、身体中を這い回る手と舌も、男の何もかもが不快でたまらない。
けれども不快感のままに金切り声を上げて男を押し退ければ、今夜の稼ぎは得られない。それだけならまだしも、逆上した男に殴られるかもしれないし、下手をしたら殺されるかもしれない。そうなったところで、世間の人々は私が悪いと言うのだろう。
娼婦がどうなろうと、身を持ち崩した女には当然の末路だと笑われるだけだ。
だから私は悲鳴をこらえて、なおざりな嬌声を上げる。いいわ凄いイクイクと言っておけば、大抵の馬鹿は満足する。
そのはずだけど――ああ、失敗。景気よく喘いだせいで調子に乗った男が、まだまだやる気になったみたい。アホ面さげて、涎垂らして、俺のはそんなにイイかと馬鹿がご満悦だ。
大きさがご自慢のようだけど、アンタ自分で思ってるほど女を喜ばせちゃいないんだよ。ただ突っ込めばいいと思いやがって、うざったいんだよ、このド下手くそ!
面と向かって罵ってやれたら、どれだけ胸がすくだろう!
でも実際はこの男をいい気にさせて、延長分の金をきっちりむしり取らなくてはいけないのだから、娼婦稼業も楽じゃない。それに常連になって欲しいとは思わないけれど、次もまた金を落としに来てくれるよう仕向けておいて損はないはずだ。
だから私は相手を殴り付けてしまわぬよう、極力この男を意識の外に放り出すために、こんな場所へと堕ちてきたこれまでの道のりを思い返していた。
のどかな村の平凡な娘が道を踏み外したのは、何もかもあの悪魔のせいだ。
あれはもう五年も前のことになるのか。
私の住んでいた村を含む地方一帯で、女性が次々と姿を消す事件が起こった。年齢も育ちも、既婚未婚も関係なく、村娘町娘から貴族や修道女、果ては王妃までもが忽然といなくなったのだ。女達に共通していたことはただ一つ――みな美しかったということだけ。
事件の真相は単純で、ある男が悪魔の力を借りて、気に入った女達を魅了しその館へと導き捕らえただけだった。魔法にかかった女達は操られて己の足で悪魔の根城へと向かったため、拐かされた痕跡は全く残っていなかった。そのことが事件の発覚を遅らせ、被害が広がる原因となった。
そして私はその館に囚われていた女達の一人だった。
そこでのことはあまり思い出したくない。というか、思い出そうとしても記憶は紫の靄の中にあって、どうにも朧気だ。はっきりと覚えているのは、魔力のためかあの悪魔が魅力的に思えてたまらず、同じ境遇の女達と身を寄せあっては、しきりにその寵愛を求めていたことと、それから……──
事件の終わりは、よくある御伽話のようだった。消えた恋人を捜し続けた若者が、事件の黒幕である悪魔の存在に気づいた。若者は知恵を働かせ、女のふりをして悪魔に近づき、相手が油断した隙を突いて見事にこれを打ち倒した。悪魔が死んだことによって術から解放された私達は、悪い夢から醒めて正気に戻り、それぞれの居るべき場所へと帰っていった。
一地方に混乱をもたらした女性大量失踪事件と聞いて世間が思い出すのは、これで全部だろう。悪魔は倒され、攫われた女達は救われた。めでたしめでたし……で、お話は終わり。
けれども私の悲劇は、ここから始まったのだった。
館から逃れ、元の自分の居場所に戻って来た女達を、残された家族や恋人、友人達は喜んで迎え入れた。命があっただけでもなによりだ。無事でいてくれて本当に良かった。妻を、恋人を、母を、娘を取り戻した人々は、心から喜んで、再会を祝福した。無事を祈り続けていた者達は、涙を流して神に感謝していた。
だが、最初の感動が去った後、人々の心に湧き上がったのは疑念と好奇だった。
村から拐かされた女は私の他に幾人もいて、皆一様に館での出来事について口を噤んでいた。よく憶えていない、何があったか解らないととぼけながら、己自身にもあれはただの悪夢だと言い聞かせていた。
しかし、事件の被害者はこの地方一帯に散らばっていて、私達が沈黙を守っていてもどこからか事件の顛末についての噂は流れてくる。
どうやらあの女達は、悪魔の城に囚われて慰み者にされていたらしい。
ひそひそと語られる噂話は、退屈しのぎの艶話としてあれこれ脚色をつけられて辺り一面にばら撒かれた。
曰く、あの女達は悪魔の手によって、淫蕩な売女に仕立て上げられたらしい。
また曰く、男なしではいられない身体にされて、夜な夜な相手を求めては街を彷徨っているらしい。
その他にも、一度に四、五人は相手にしないと治まらないらしいだとか、男が死ぬまで絞り取ろうとするだとか、人間の男では満足できずに牛や馬を相手にしているだとか、聞くに堪えない酷い話が、面白半分に伝えられていた。噂を広めたのは男達だけでなく、女達も熱心に加担した。被害者である女達が美しかったことから、そうでなかった者達はやっかみも手伝って、噂に悪意を織り込んでいった。
あの連中は攫われて淫乱になった訳じゃない。前々から美貌を鼻にかけて、そこら中の男に思わせぶりな態度を取っていたじゃないか。最初からそんな女だったから、簡単に悪魔の誘いに乗ったんだ。
そうやって私達を貶めることで、自分とは人種が違うと線を引き、己を安全な位置に置こうとする女達は少なくなかった。
そして私達は、その噂に反論せず、ただじっと耐えていた。
言い返すことができなかったのは、その噂の一部が真実だったからだ。
悪魔に穢された女──それは動かしようのない事実だった。操られていたとはいえ、あの悪魔を欲し、求め、身を任せた。その証拠に、私はもう処女じゃない。朧気な記憶の中でも、悪魔と身を交えて悦んでいたのは確かだった。
噂に言い返せば、そこを突かれる。己がもう神聖な結婚にも、貞淑な妻にも相応しくない身体だと、自ら認めるのは耐えられなかった。
早くこの嵐が通り過ぎますように。早く皆の記憶からあの忌まわしい事件が消えますように。
そう祈りながら待つだけの日々にも、被害者を取り巻く状況はどんどん悪化していた。
酷い噂に耐えきれず、また己の穢れた身体を恥じたのか、被害者の一人である若い娘が首を吊った。
またしばらくして、人妻であった被害者が夫の手で殺された。不貞に対する罰だという夫の言い分は認められ、彼が妻殺しで裁かれることはなかった。
周りの好奇の目を避けて、夜逃げのように遠方の村へと嫁いだ娘もいた。その他にも、折角帰って来たというのに忽然と姿を消した女もいた。
物好きの金持ちに買われて妾として連れていかれた娘も、街に出て自ら娼婦に身を堕とす者もいた。
同じ被害者の身に次々と不幸が降りかかるのを耳にしながら、私は家に閉じこもり、他人と関わることをやめた。帰って来た時に心から喜んでくれた家族は、そんな私を腫れ物に触るかのように扱った。事件のことには一切触れず、けれども憐れみと疎ましさの混じった視線を私に投げつけていた。浮ついた夢を持っていたからあんな事件に巻き込まれたのだと、私に隠れて愚痴を零していたこともあった。美しく、父と母の自慢だった娘は、一族の厄介者に成り下がった。
ただ時間が過ぎるのを待つ私の身に、他のどの被害者よりも大きな災難が降りかかったのは、事件から二ヶ月が過ぎた頃のことだった。
人目を避け、縫物や機織りをしてひっそりと暮らしていた私は、突然の吐き気に襲われた。こんな鬱屈した生活のせいで体調を崩したのか。そう考えていた私の傍らで、母が真っ青になっていた。爪が食い込むほどの力で私の肩を揺さぶった母は、怖い顔をして「月のものが最後にあったのはいつ?」と尋ねた。
その質問で、私は母が何を恐れているのかすぐに気づいた。同じ恐怖に感染した私は、ひいっ、と悲鳴をあげ、嫌だ、嫌だと半狂乱になった。
あの館での出来事が、そういう結果を招くことは充分に考えられた。あそこには大勢の女達がいたけれど、私はその中でも悪魔に気に入られていた方だった。事件が終わりを告げる少し前に、悪魔の相手をした憶えがあった。
母の危惧が本当のことならば、胎の中にはあの悪魔の子がいる。私は自分の身体が魔物に乗っ取られ、内側から食い破られているように思えた。
母は泣き叫ぶ私を抱きしめて、大丈夫だと繰り返した。お母さんがなんとかしてあげる、と宥めた母は、村のまじない女から薬の小瓶を貰ってきた。
──これさえ飲めば大丈夫。誰にも内緒で流してしまえばいい。
母が差し出す薬を、私は躊躇いもせず飲み干した。呪われた子を産むつもりなど、毛頭なかった。一刻も早くなかったことにしたかった。
けれども子は流れなかった。流石は悪魔の子という訳か、まじない女の秘薬は通用しなかった。
逃げ道を塞がれて、私は現実から目を背けた。薬が効かないのは、孕んでなどいないからだ。月のものが止まっているのは、辛いことが続いたからだ。ここに悪魔の子なんていない。そんな事はあってはならない。
神様、神様! どうか私をお救いください! 敬虔な娘になります。浮ついた望みはもう持ちません。だからどうか、この苦難を取り去ってください!
私は己の腹に手を当て必死に祈った。その願いさえ叶うなら、残りの一生を神に捧げてもいいとさえ思った。
しかし、祈りが届くことはなく、私の手の下でおぞましいものを宿した腹はどんどんせり出してきた。そしてついに、父の知るところとなった。
私の異変を知った父は、私を殺そうとした。村の誰もが、私の身に起きた事件を知っている。胎の子の父親が誰なのかは、言わずとも解るだろう。
悪魔の子が生まれたとなれば、私だけでなく一家全員が迫害の対象になる。可哀想だが死んでくれ。
私の首を絞めながら、父は悲愴な顔で言った。その父の手を引き剥がし押しとどめた母は、逃げなさい、と私に叫んだ。私は取るものもとりあえず家を飛び出し、村から一目散に逃げ出した。
身一つで村を出た私は、近くの街にたどり着くのがやっとだった。銅貨一枚も持たず、宿に泊まることさえできなかった。
街角に蹲る私に、幾人かの男が声をかけた。その殆どは私が身籠っていることを知ると立ち去ったが、ある男はそれも面白いと私を安宿へ連れていった。
自分の意志で身体を売ったのは、その時が初めてだった。
お金が欲しかったのも事実だが、それ以上に、そうすることで胎の子が流れてくれることを願った。私の中に押し入ってくるものが胎の中の化け物をずたずたにしてくれればいいのにと、事の最中にそんなことばかりを妄想していた。
勿論、そんな妄想は現実になどなりはしない。
身体を売って幾ばくかの金を得る度に、私は次の街へと移っていった。少しでも故郷から離れたかった。あの忌まわしい事件を知る人のいない地へ逃げることしか考えられなかった。
どんなに遠くへ逃げ出しても、胎の子からは逃げられないというのに。
路銀のために身体を売る荒んだ生活も、街から街へ旅をする過酷な暮らしも、悪魔の子を殺してはくれなかった。いくら疎んじてもそいつは私の中ですくすくと育ち、内側から蹴飛ばすまでになった。子を産むために変わっていく自分の身体も、別の生き物に乗っ取られたように思えて、ただただおぞましかった。いっそ狂ってしまいたいと何度も思った。
産み月が近くなると、ろくに客を取ることもできなくなった。
手持ちの金も尽き、たった一人の逃避行を続けることも叶わなくなった私は、いよいよ覚悟を決めた。
自分はもう、死ぬしかない。
ならばせめて、悪魔の子を産み落とす前に死のう。こんな事ならあの時、父の手にかかって死ぬのだった。
自分の不幸を嘆く気力もなく、私は呆けたようになって、訪れたばかりの街に流れる川の中へと入っていった。真夜中の暗い川に腰まで浸かったその時に、私は背後から腕を引かれた。
死なせて、と泣き喚く私に、早まってはいけないと、その誰かは語りかけた。丸一日何も食べていなかった私は腕を振り解く力が出ず、ずるずると岸に引きずり上げられてしまった。
──若い娘が命を粗末にするもんじゃないよ。
自殺の邪魔をした男は、優しい声でそう言った。それから私の腹を見て、事情は色々あるんだろうがね、と同情を表した。
その男は私よりも背が低く、太っている上に猫背で、はっきり言って醜男だった。父と変わらぬ歳にも見えるが、団子を潰したような顔立ちが年齢を曖昧にしていた。時々裏返る甲高い声は妙に神経を引っ掻いて、この男が信用ならぬ相手だと伝えているかのようだった。そして、その印象は正しかったと間を置かずに知るのだが、その時の私は事件以来初めて他人から与えられた労わりに、すっかり心を許してしまった。
事件のことはぼかしつつも、私は自分の身の上を男に話した。産んではならない子を宿し、金も行くあてもなく、もう死ぬしかないのだと泣きながら訴えた。
私の話を一通り聞いた男は、そういう事なら心配はいらないと自分の胸を叩いた。
男が経営する店で、下働きを探している。住まいも食事も提供しよう、そこで安心して子を産むといい。
それが無償の善意ではないと、その時から薄々気づいていたように思う。けれども他にあてのない私は、男についていくしかなかった。
着いた先は、娼婦たちが根城にしている連れ込み宿だった。娼館なんて上等なものじゃない。街角に立つ女達が客を引っぱり込む場所で、男はその宿の経営と街娼たちの元締めをしていた。この辺りで身体を売るにはそういう男達の庇護下に入らなくてはならないという不文律が、その街にはあった。
男が私を助けたのは、新しい商品が手に入ると思ったからだろう。子供を産んだ後には娼婦として客を取らせるつもりで、私をここに連れてきたのだ。
私はそれでも構わなかった。していることは今までと同じだ。邪魔な子供を産み捨てたら、男の目を盗んで逃げ出したっていい。
それに、同じ境遇の女達に囲まれた暮らしは、私に安らぎを与えてくれた。村の人々のような軽蔑の視線を、彼女達が私に向けることはなかった。大きな腹を抱えた私を見て、子持ちの娼婦の一人は「アンタもドジ踏んだね」と親しげに微笑んだ。本当は産みたくないのだと嘆く私に、彼女は、自分もそう思ったけれど産んでみると考えが変わるよ、と慰めの言葉をかけてくれた。
そんなことはありえない。これはただの子供じゃなくて、悪魔の子なのだから。決して愛せるはずがない。
私はそう信じて疑わなかった。陣痛の痛みに耐える最中でさえ、これでやっとこの化け物から自由になれると、産んだらすぐに床に叩きつけて殺してしまおうかとまで考えていた。
それなのに、生まれた赤ん坊を抱いた瞬間、私の中で不思議な変化が起きた。
産婆の手から受け取った子供は、赤黒くて、ぐにゃぐにゃと頼りなくて、けれども確かに温かかった。
生きているのだと、そう思った。小さい体で精一杯に泣いて、自分は生きたいのだと必死に訴えていた。
疎ましいばかりの化け物だと思っていたのに、腕の中にあったのは小さな一つの命だった。
思わず涙が零れ落ちた。
我が子なのだと初めて感じた。殺してしまいたいという気持ちは、この手で触れた瞬間に消えてしまった。
乳を含ませ、懸命にそれを吸うのを見た時には、捨てるという選択さえ思い浮かばなくなっていた。
この子は私がいなくなれば、きっと生きていけないだろう。
二度と故郷に戻れない私にとって、この子は残された唯一の肉親でもあった。世界中でこの子だけが、私を必要としてくれていた。
──この子のために生きていこう。
理屈もなくそう思った。それは母親としての本能だったのかもしれない。
村を出てから逃げることと死ぬことしか考えられなかった私は、憎んでいたはずの子によって生きて踏みとどまる力を与えられた。
乳飲み子を抱えては、別の街に行くことも新しい仕事探すこともままならなかったから、私はそこで娼婦の仲間入りをした。
いつか親子二人で日の当たる世界に出ていくための金を貯めているうちに、たちまち数年が過ぎていた。
しつこい客からやっと解放され、媚びておだてて延長分を毟り取った私は、後始末を済ませてから寝床の上にぐったりと横になった。
時刻はもう真夜中を過ぎていた。今夜はこれで店じまいだ。無理な姿勢を取らされたせいで、節々が痛くて仕方ない。あの客が朝まで泊らなくて本当に良かった。
四つになる息子は、他の娼婦の子供たちと一緒に下働きの婆さんが面倒を見てくれている。こんな夜中に迎えに行って、起こすこともないだろう。
以前はそれでも、そっと足音を忍ばせて寝顔を見に行った。安らかに眠る我が子を見ると、一日の疲れが癒えるようだった。
それなのに近頃は、そんな気も起きなくなっていた。
生まれた我が子を抱いた時に湧きあがった感情は嘘ではなかった。だが私は、徐々にあの子を愛せなくなっている自分に気づいていた。
か弱く頼りなかった赤子は日に日に成長し、這い、立ち上がり、二本の足で歩き始めた。一つの命を分かち合ったかのように私にしがみついていた子は、私の腕から抜け出して辺りを駆けるようになり、鸚鵡返しばかりだった言葉も、つたないながら自分の意志を語るようになった。
母親として喜ばしいはずの子供の成長が、私には逆に作用した。あの子が私から離れ、違う意思を持つ一人の人間なのだと感じる度に、自分とは相容れない異質なもののように思えた。
息子は美しい子供だった。成長するにつれてはっきりとしていく目鼻立ちは、あまり私に似ていなかった。
「父親」の顔は殆ど憶えていない。けれども私に似ていないのなら、きっとそちらに似たのだろう。
私の人生を滅茶苦茶にしたあの悪魔に。
生まれた時は鮮やかな青だった瞳は、いつの間にか菫色を帯びていった。その色を見る度に、あの子を産んだ日の感動が薄れていくようだった。
そうなるにつれて、私は繰り返しある夢を見るようになった。
青い瞳。
館に囚われていた頃の、数少ない、そして最も鮮やかな記憶。
ただ一度会っただけなのに、その人の姿は私の脳裏に焼き付いて今でも色褪せない。
初めて見たその人は、秋の空のような清冽な青のドレスを身に纏っていた。
肩に垂らした髪は輝く黄金。瞳はドレスの青に負けないほどの、深い深い海の色。
すらりとした長身の、綺麗な女性だと思った。
ハーレムの一員に加わるに相応しい美貌の人は、けれどもここの誰よりも美しい訳ではなかった。それなのに私は、その人から目が離せなかった。
仲間に加わるということはハーレムの主の寵を奪い合うライバルでもあるはずなのに、どうしてこんなにも惹かれるのだろう。
奇妙な感情に戸惑う私の前で、その人は突然、悪魔に刃を突き立てた。それから己の金髪の鬘をむしり取り、重ね履きのスカートをはぎ取る。
変装を解いた後に現れたのは、艶やかな短髪の、美しくも勇ましい若者だった。
──ああ、やっと巡りあえた!
その瞬間、心の奥底でそう叫んでいた。
彼こそが私の運命の人なのだと確信した。悪魔に魅了されていた時でさえ、抱いたことのない感情だった。
彼は紫の血を流して倒れ伏す悪魔に向かって、断罪の言葉を浴びせた。恋人を奪われた絶望と怒りを、それでも希望を捨てずに彼女を捜し求めたことを、苦難の末にここに辿り着いたことを、悪魔の罪とともに語った。
その口上を聞いていた私は、その恋人が自分のことだという気がしてならなかった。
彼は初めて会う人だった。その優雅な立ち居振舞いは貴族のものに間違いなく、村娘との接点などあるはずもない。
それなのに私の心は、彼だとしきりに叫んでいた。
そして彼は、歓喜と慈愛の表情を浮かべて私の元へと歩いてきた。その腕で私を包み込んでくれる──そう信じる私の傍らを素通りして、彼は背後にいた女をひしと抱き締めた。
ハーレムの中で最も気位が高かった女は、彼の腕の中で泣きわめいていた。こんな過ちは許されない、死んで汚辱を雪ぐしかないと嗚咽混じりに訴え、彼はそれを宥めていた。
――貴女に何の罪があるというのですか。全ては悪魔の仕業であって、貴女はかつてと同じ清いままだ。いや、そんなことはどうでもいい!
嘆く女をかき抱いて、彼は切々と語りかける。
――貴女は私の命です。貴女なしでは生きてなどゆけない。失ったと思っていたその命が、この腕の中に戻ってきてくれた。こうしてただ側にいる、それだけで充分です。他には何も望まない。
恋人からの愛の言葉に、女はただ泣くばかりだった。その近くで芝居のクライマックスのようなやり取りを眺めていた私は、彼女に自分の役を奪われたような気がしてならなかった。
──どれほどの過ちを犯そうとも、この手を罪に汚そうとも、「彼」はいつだって許して受け入れてくれる。その腕に抱かれるのは、私であるはずなのに──
頭の奥で声がした。初対面の相手に対して抱くには、不可解な感情だった。
結局彼は私に目もくれず、取り戻した恋人と手に手を取って去っていった。雪崩を打って逃げ出す女達の合間にその後ろ姿を見たのが最後で、その後一瞬たりとも彼の人生と私の人生が交わったことはない。
それなのにどうして、繰り返し彼のことを思い出すのだろう。
うとうととまどろみながら、私は彼が救いに来てくれる日を思い描いた。
夢の中で薄汚れた淫売宿は、あの退廃の館へと変わった。館の扉を開け放った彼は真っ直ぐに私のもとへとやって来て、助けに来たのだと抱きしめてくれる。
──ええ、私もずっと待っていたわ。さあ、早くここから連れ出して。私の半身。私の夫。私の最愛の──
彼の名を呼ぶ寸前で、私はいつも目を覚ます。知っているはずのその名をどうして口にできないのだろうと疑問に思って、彼の名を知るはずもないじゃないかと自嘲する。
そしてその夢から覚めた後は、ここは自分の居場所じゃないという違和感に苛まれた。その違和感は日が経つにつれて大きくなっていった。
だから、今夜が特別だった訳じゃない。この日たまたま、母親としての理性に限界が訪れたというだけのことだ。
ここから逃げよう──そう決めた。
待っていたって彼は来てくれない。彼は私を知らないのだもの。助けに来てくれる訳がない。
それなら自分で何とかしないと。
お金はある。貯め込んだ分は親子で安心して暮らすには心許ないけれど、一人で逃げ出すには充分だ。
子供はこのまま置いていくことにした。
父親に似ていく子をこれ以上見ていたら、いつか愛情のひとかけらも抱けなくなる。ひょっとしたら、そのうちまた殺したくなるかもしれない。どうしたってあの子は、あの悪魔の子なのだから。
見た目が綺麗なあの子は、娼婦仲間のお気に入りだ。捨てていっても誰かが面倒を見るだろう。
本当なら生まれたその日に殺すつもりだったのだ。ここまで育ててやっただけで、もう充分じゃないか。
私は何かに突き動かされるように、身支度を始めた。ここを出ていくなら今しかないという気がしていた。
自分のねぐらに帰り、他の娼婦達が戻ってくる前に荷物をまとめた。持っている服の中から一番地味な、できるだけ堅気の女に見えるような物を選んで身に纏い、金と身の回りの物を持って気づかれないように夜明けの街へ飛び出した。
市場に向かうと、既に幾人かの商人が仕事を始めていた。この街で朝一番に品物を仕入れて隣町に売りに行くという一人に、一緒に連れて行ってくれと頼み込んだ。隣町に住む母親が病で死にそうなのだと嘘を吐いた。銀貨を数枚握らせると、商人は喜んで私を荷馬車に乗せてくれた。
街を出ると、丘の向こうから朝日が昇っていた。
──ああ、自由だ!
私は胸の中で叫んでいた。あの館に囚われて以来失っていた私の人生が、やっとこの手に戻って来たのだ。
置いてきた子の顔が一瞬脳裏をよぎったが、それを最後に忘れることにした。お互いその方が幸せなのだと、勝手に決め付けた。
隣町に着くと、私はすぐに次の街を目指した。一刻も早く、できるだけ遠くに行きたかった。
あの忌まわしい事件を知らない土地へ。あの薄汚れた街と関わりのない場所へ。
旅を続けながら、私は名を変え、出自を偽った。一人旅の理由は、両親を失い、あくどい親類に家と土地を奪われたため、遠い縁者のもとに身を寄せる途中だということにした。
年齢は五つサバを読んだ。そうすることで、あの事件との関わりを疑われないようにしたかったのも事実だが、それ以上に何もかもなかったことにしたかった。
その嘘は人を騙すというよりも、自分に言い聞かせるためのものだった。
全てを失った十八の時からやり直そう。この五年間は、ただの悪い夢だったのだ──と。
街から街へと旅をして、やがてたどり着いたのは高原の町だった。街道の一つの終着点であるその町はそれほど豊かではないけれど、のどかで平和な町だった。行き交う人々はみな穏やかで、他所者の私にも微笑んで挨拶をくれた。
私はこの町に根を下ろすことに決めた。故郷も、あの淫売宿も、ここから遥か彼方にあった。ここまでくれば、私を見つけて過去を暴きたてる者など現れないだろう。
この地で生きていくために、まずは仕事を探すことにした。食べていくためとはいえ、もう二度とあんな浅ましい真似はしたくない。そう決めた私は、町の教会を訪ねた。現れた神父に、これまで繰り返し口にした偽りの過去を話した。ただその最後には、頼りにしていた縁者が既に亡くなっていて、行くあてがないのだと哀れみたっぷりにつけ加えた。
事情を聞いた神父は、大いに同情してくれた。しかし、その次に彼が発した言葉は、私の期待を裏切るものだった。
──では、花売りの仕事を紹介しましょう。決して楽な仕事ではないけれど、貴女のような人ならぴったりだ。
私は耳を疑った。まさか教会でこんな侮辱を受けるとは思わなかった。
花売りは娼婦の代名詞だ。それが私にぴったりだとは、一体どういう意味なのか。娼婦としての自分はあの街に捨ててきたはずなのに、神父は一目で私の過去を見抜いてしまったのか。
衝撃が顔に現れていたのだろう。それを見た神父は目を瞬かせてから、これは失礼、と破顔した。
──これはいけない。貴女は外の生まれでしたね。ここでは、「花売り」にそういう意味はないのですよ。
侮辱したつもりはないので気を悪くしないでください、と微笑んだ神父は、私が働く場所へと案内する道すがら、この土地に根付いた風習について語り聞かせた。
高原にあるこの町では、花は貴重なものだった。朝夕の寒さから守り、雨の少ない時期にはこまめに水をやり、毎日手を入れてやらないと咲かせることすらままならないからだ。
貴重な花は、神への信仰を表すのに使われていた。
婚儀や葬儀だけでなく、特別な願い事がある時に、与えられた恩寵に感謝を示す時に、人々は花を供え神に祈りを捧げるのだそうだ。
そこから転じて、恋人に思いを伝える時や、家族に感謝を表す時にも花が用いられるのだという。
そして、肥沃とは言えない土地で、人々の祈りを背負うに相応しい大輪の花を育てる花売りは、その仕事の辛さと神聖さから修道士のような扱いを受けているという。
──なかなか手間ひまのかかる仕事です。両手は荒れるし、ろくに休みも取れないから、若い娘さんには辛い仕事かもしれない。
それでもよければ、と言う神父に、私は二つ返事で頷いた。真っ当な職に就けるのなら、多少の苦労は厭わなかった。
始めてみると、確かにそれは楽な仕事ではなかった。斜面だらけのこの土地では、水汲みや肥料運びだけでも一苦労だ。土と水に塗れた手は、高地の冷たく乾燥した風になぶられて、たちまちあかぎれだらけになった。
けれどもそんなものは、身体を売った後に身支度を整えている時のみじめさに比べたら何でもなかった。日の光の下で、堂々と顔を上げて働けることの方が何倍も嬉しかった。
礼拝がある曜日には、丹精込めて育てた花を籠いっぱいに摘んで、教会前の広場に立った。地形とその凡庸さから他国に攻め込まれたことのないこの町は他所者に寛容で、突然花売りとして住みついた私を、人々はすんなりと受け入れてくれた。
──いつもの婆さんじゃないのかい? いやあ、綺麗な娘さんから受け取ると、同じ花が一段と立派に見えるね。
そんな陽気な挨拶をしながら、私が差し出す花を受け取った。硬貨を渡す手つきも、花を受け取る仕草も、どこか恭しかった。私を蔑み、投げつけるように金を置いていったあの客達とは大違いだ。
いいえ、違うのは客じゃない。変わったのは私の方だ。私はもう、薄汚い娼婦じゃない。誰にも恥じるところのない、ただの少女に戻ったのだ。
そのことが嬉しくて、私は花を渡す度ににっこりと笑った。
さあどうぞ。神様のためにこの花を。大切な人のためにこの花を。どうかあなたの祈りが届きますように。あなたに幸運が訪れますように。
花を売りながら笑顔と祝福をふりまく私に、人々も笑みを返してくれた。私を取り巻く空気は、善意と厚意に満ちていた。
花売りとしての私は、他所者のもの珍しさもあって、すぐに町の人気者になった。仕事を始めて三月もしないうちに、町のほとんどの人たちと親しく言葉を交わせるようになった。
中でも若い男達はあからさまな好意を示したけれど、私は他の人に贈るのと同じ笑みで受け流した。男のせいで人生を踏み外すのはもう沢山だと、私は慎重になっていた。そんな私の振る舞いは、身持ちの堅い娘だという評判につながった。
人々は私を褒めそやした。見た目の美しさだけでなく、中身も立派な娘だ。そう称えられる度に、私は舞い上がりそうだった。
ええ、そうよ。これが本当の私。村のみんなの憧れの的だった、私の正しい姿なんだわ。
そう実感する度に、悪夢は意識の奥へと沈み、薄れていった。
時折、小さな男の子が花を買いに来る時には、記憶の奥底がじわりと疼く。しかし私はその微かな痛みを、なかったこととして無視し続けていた。
それからしばらくして、私はこの町を治める若き領主から求婚された。
領主は以前、広場で花を売る私の姿を見て見初めたのだそうだ。最初に目に留まったのはこの容姿だが、心映えも立派な娘だと知り、ますます惹かれたのだと言った。
私は最初その話を、畏れ多いと断った。突如舞い込んだ幸運に天にも昇る心地だったが、その地の権力者との婚約が私の過去を洗い出すことにならないかと不安になったからだ。
それでも領主は二度三度と、私に結婚を申し込んでくれた。その熱心さに負けた私は、不安を乗り越えて彼のプロポーズを受け入れることにした。
いいえ、本当は彼と出会った瞬間から、この人にしようと決めていた。
他所者の私など領主の妻に相応しくない。そう言って躊躇う私に彼は、そんなことはないと笑った。
──ここでは昔から、外から移り住む人々を稀人として丁重に扱う風習があるのですよ。ほら、私の祖先が外からの花嫁を娶った証拠がここにあるでしょう。
そうして彼は、自分の瞳を指し示した。
茶色の瞳の人々が多く住む土地の中で、彼の瞳は明らかに外界からもたらされたものだった。
何故か懐かしく感じる、深い深い海の青。
最初からその色が、私の心を捕えて離さなかった。
結婚が決まってからも、私の幸運に変わりはなかった。
町中の人々がこの婚約を祝福してくれた。広場で会う人々は、口々に祝いの言葉をくれた。これで私も本当の町の一員になると、ずっとここにいてくれるのが嬉しいとも言ってくれた。
おおらかな気風なのか、彼の一族によって私の過去が調べあげられることはなかった。今の貴女を見れば立派な娘さんだと解ると、そう言われただけだった。
身よりのない私のために、嫁入り支度は全て彼の方が整えてくれた。結婚にあたっては、居候先の老夫婦が親代わりを務めることになっていた。
都合の良い夢のように、全てが順調だった。上手く行きすぎていて怖いくらいだったが、あの悪夢との帳尻合わせだと思えば尤もだという気がした。散々苦難を味わった分だけ、幸せがやって来るものなのだろう、と。
やはり私は、夢見がち過ぎるようだ。
世間はそんなに甘くないのだと、嫌というほど辛酸を舐め尽くした後だというのに、気づくことができなかった。
運命が私に、そんな優しい真似をするはずがない。
あまりに都合が良すぎる幸運は、次なる苦難を際立たせるための罠だったのだ。
私の結婚話はすでに町中が知っていたけれど、一応形式にのっとって公に婚約を発表することになった。
それを翌日に控えたある日、一人の男が私を訪ねてきた。
――美しい奥方様に、是非とも祝いの品を贈りたいと思いまして。
慇懃無礼に口上を述べる男の醜い顔は、忘れようのないものだった。
私は悲鳴を上げそうになるのをこらえながら、婚礼はまだなのだから奥方様だなんて気が早い、と無理矢理笑みを浮かべるのが精一杯だった。
――ええ、ええ、まだでしたねえ。
下卑た笑顔での台詞は、明らかに脅しだった。お前の婚礼など簡単に潰せるのだと、暗に伝えていた。
旅の商人として現れたそいつは、あの街で私を娼婦として飼っていた男だった。
贈り物として渡されたのは、安っぽい飾りがゴテゴテとついた手鏡だ。そばにいた親代わりの老夫婦は、こんな安物を贈るだなんて余程見る目がない商人だと呆れたが、私は笑うことができなかった。
その手鏡は、あの淫売宿にあった物だったからだ。
去り際にわざと間違えて呼んだ名前は、私の本名だった。
手鏡に添えられた手紙を、私は老夫婦に見つかる前にさっと隠した。手紙には、今夜町外れの廃屋で待つ、とあった。
行けばろくなことにならないのは解っていた。しかし、行かなければ全てを暴露されるだろう。
消えたはずの悪夢は、幸せを掴む寸前になって私を連れ戻しに来たのだ。
早く何とかしなければ。
誰かを頼ることはできない。一人で何とかしなければ。
私は物置からひとふりの鉈を持ち出して、黒の外套を頭からすっぽりとかぶり、深夜待ち合わせの場所に向かった。
そこにいた男は、私を見て馴れ馴れしく声をかけた。
――お前によく似た女を見たっていう噂を聞いてな、試しに来てみたら、おい、大出世じゃねえか。領主様の花嫁だって?
しかも二十って何だよ、と男はしばし笑い転げた。
それから男は、訊いてもいないのに自分の身の上について延々と話した。愚痴と恨み辛みがたっぷり含まれた物語は、単に商売に失敗して街を追い出されたというものだった。
そして私を金づるにするために、探し当てたというわけだ。
――少しばかり用立ててくれないか。命の恩人の頼みだろう。
黙ったままの私に苛立った男は、台詞に解りやすい脅しを織り込んできた。
――領主の奥方様になるんだから、金に不自由はしてねえんだろう? 折角の縁談を、お前だって台無しにしたくないだろうが。
それともナニか? と男は嘲笑う。
――相手は全部承知の上か? 田舎者の坊っちゃんを手練手管で骨抜きにしたか? まあ、そのくらいお手のもんだろうな。俺がたっぷり仕込んでやったんだから。何ならダンナに教えてやろうか? お前をどんな風に淫売に仕立てあげてやったかをさ。
ああ、可愛い六つのガキがいるってこともいってやらないとな、と男は私をねめつける。
――……お願い誰にも言わないで。
私は男に口止めを頼んだ。声が震えたのは怒りを堪えたためだが、相手は私が怯えていると思ったようだ。
――俺だってお前の幸せの邪魔はしたくないさ。だから、なあ……解るだろう? 世間は持ちつ持たれつと言うじゃないか。
再び媚びるような声で、男は沈黙の見返りを要求した。私はそんな男に、硬貨の入った皮袋を差し出した。
――婚礼前だからこれしかないの。今はこれで勘弁してちょうだい。
男は皮袋をひったくるようにして受け取ると、紐を解いて早速中身を改めた。
――へへ、話がわかるじゃ……
男が金の確認に気を取られている間に鉈を構えた私は、男が顔を上げた瞬間を狙って首筋にそれを叩き込んだ。
何が起こったのか解らないという顔をする男に構わず、私は鉈を引き抜いた。ぱっくりと開いた傷口から鮮血が噴き出し、私の外套に降り注ぐ。
よろめいて仰向けに倒れた男の上に馬乗りになった私は、二度三度と刃物を降り下ろした。
何が命の恩人だ! 笑わせるな!
子供を産んだらすぐに客を取れと言ったくせに。娼婦の仕事を教えてやると言って、散々嬲り者にしたくせに!
金だって半々という約束だったのに、何やかやと理由をつけてはむしり取った。もう充分に私を喰い物にしたじゃないか。
それなのに、まだ私から奪うというのか。そんな卑劣な真似を許してたまるか!
死ね! 死ね!! 早く死んじまえ、このウジ虫!
あんなどぶの中に二度と戻るもんか。私はただの娘になって幸せになるんだ。
怒りにまかせて鉈を振るった。興奮のあまり、男がいつ息絶えたのかも解らなかった。我に返ると、ズタズタになった骸がそこにあった。
罪の意識は感じなかった。これは当然の報いだと思った。
他人の人生を勝手に踏みにじろうとしたのだ。返り討ちに遭うことくらい、覚悟しておくべきだろう。自分の言いなりになっていた女だからと、侮ったからこうなったのだ。
当てにならない噂を頼ってこんな遠くまでやって来るのだから、つるむ仲間もいないのだろう。この死体さえ隠してしまえば、這い出てきた悪夢は消えるはずだ。
私は大丈夫だと唱えながら、死体を枯れ井戸の中に落とし、鉈と外套も投げ込んで元通りに蓋をした。こう暗くては血だまりを消すことはできないが、人が滅多に来ない場所だからきっと見つからないはずだ。
厄介な過去を始末して、私はこっそりと家に帰った。幸いなことに、家に着いてから雨が降り始めた。この地方では珍しい激しい雨は、私がした事の痕跡を洗い流してくれた。運命に勝った証だと、その時の私は思った。
雨は朝までには止み、埃を洗い流された町はいつもより美しかった。婚約の発表は予定通り行われ、私は町中の人々の祝福を受けた。寝不足の顔をした私は、緊張して眠れなかったのかとからかわれただけで、昨晩私が犯した罪を言い当てる者はどこにもいなかった。
その後悪夢が実体を持つことはなく、私は幸運な娘のまま領主の妻となった。身分違いの結婚だったから妻として学ばねばならないことは沢山あったけれど、夫婦の間に波風が立つことはなく、仲睦まじいまま三年が過ぎた。私は夫に大切にされ、領民たちにも慕われて、幸せな毎日を送っていた。
唯一の悩みは、子供がまだできないことだった。望まない時には簡単に妊娠したのに、心から子供を望んだ時にできないとは、何という皮肉だろう。
娼婦としての荒んだ生活に問題があったのか。それともまさか悪魔の子を産み落としたせいで、子供ができない身体になってしまったのだろうか。
思い悩む私に、夫はどこまでも優しかった。夫婦仲が良過ぎると子供ができにくいというからね、お互いまだ若いのだから焦ることはないよ、と慰めてくれた。
そんな夫を父親にしてあげられないことが申し訳なかった。早く我が子をあの腕に抱かせてあげたいと、心から願った。
早く子供が授かりますようにと、私は毎日祈りを捧げた。熱心な祈りの後に、ふと腹に手を当てると、かつての自分の祈りが耳の奥に蘇った。
──どうかこの化け物を消してください。こんな子いらない! いらない! いらない!!
その頃の私は、胎の中の我が子を消してくれと繰り返し祈っていた。
そんな女にはもう子を産む資格がないと、運命は言っているのだろうか。
いいえ、そんなはずはない。結局あの祈りは聞き届けてもらえなかったのだから。どんなに嫌だと拒絶しても、あの子は私の腹を借りてこの世に生まれ落ちてきた。
私が産んだ、忌まわしい、悪魔の子。
子供が欲しいと願うようになって、私は記憶の底に追いやったあの子のことを時折思い出すようになった。
あの子はもう、九つにもなっているのか。
別れた時は四つで、物心がつくかつかないかという年頃だったが、今は大分しっかりしているだろう。
「六つのガキ」とあの男は言っていたから、私に捨てられた後もちゃんと生きていけたようだ。きっと菫色の瞳の、美しい少年に育っているに違いない。
そうしてあの子を思う度、私は甘い愛おしさと、苦々しい憎しみとに同時に襲われた。
元気でいてくれればいいと思う。二度と見たくもないとも思う。
一度は母になったのだから、子供には幸せでいてほしい。でも、あの子がもし現れたら、今の私の暮らしは全て台無しになってしまう。
心配せずとも、あの子が訪ねてくることはないのだろうが。たった四つだったのだから、私の顔など忘れているはずだ。
どうか私の人生に関わりのない遠いところで平穏に暮らしていてほしいと、そう願った。
私の願いは、いつも踏みにじられるようになっているのかもしれない。
ある時、町はとある少年の話題で持ちきりになった。
幼い頃に生き別れた母を捜して、その少年は旅をしてきたのだそうだ。
まだ小さいのに一人で旅をしてきた勇敢さと顔立ちの美しさとで、少年は人々の注目を集めていた。
母の手がかりは名前と、美しい人だということ。年齢は二十八。それから鮮やかな緑の瞳を持った女性だということ。
何年も前に、この辺りで母に似た人を見たという噂を聞いて、はるばる訪ねてきたのだと少年は人々に語った。
次の誕生日が来れば十歳になるという少年は、菫色の瞳をしていた。
元々他所者に親切な領民たちは、健気な少年に大いに同情した。母捜しを手伝おうと少年から話を聞いた人々は、そんな名の人は知らないと残念そうに首を振った。
──緑の瞳の美しい女性なら、一人だけ心当たりがあるけれどね。領主様の奥方様さ。
そう教えた領民は、君のお母さんとは名前も年齢も違うけれどね、と付け足した。だがその話を聞いた少年は、この町でただ一人の緑の瞳の女性に会いたいと、強く願った。
気のいい人々は子供の気が済むならと、私のところに話を持ってきた。奥方様が違うと解れば少年も諦めがつくだろうと、ちょっとした施しを求めるように私に頼んだのだった。
その願いを断るのは不自然だったから、私は少年を翌日館に連れて来るよう伝えた。大ごとにしても仕方ないからと、夫には会わせずに私だけと面会するよう取り計らっておいた。
そして一人になった私は、自分の体を抱きしめてガタガタと震えた。
今頃になって、またもや悪夢が這い出てきたのか。
その子が誰かはすぐ解った。その名は私が付けた名だ。少年が語った母の名は、まさしく私の名前だった。
花売りの老夫婦は、その名を憶えているだろうか。あの男が去り際に、私をそう呼んだことを。
──どうして、どうして今になってこんな……!
私は取り乱しそうになるのを必死に抑えた。
少年は母親の容姿について、瞳の色以外語らなかった。それはつまり、母の姿を憶えていないということだ。
今の私は、名前も年齢も違う。相手はまだ子供なのだ。お前など知らないとしらを切り通せば、きっと言いくるめることができる。
これから会う少年は見知らぬ赤の他人。そう自分に言い聞かせて、私は少年が部屋に入ってくるのを待った。
子供が怯えるといけないからと理由をつけて、念のために人払いをしておいた。
しばらくしてノックの音が響き、使用人の一人が少年を私の前まで連れてきて、すぐに外へと出ていった。
私は椅子に座ったまま、背筋を伸ばして立つ少年を頭の先からつま先まで眺めた。
ああ、間違いなくあの子だ。
私は一目で確信した。初めてこの子を胸に抱いた時のように、理屈を超えたところで親子だと解った。
五年ぶりに会う息子は、想像通りの美しい少年に成長していた。
母を捜しているという事情を説明させれば、年齢以上の利発さを見せた。下層で生まれ育ったから言葉づかいは粗野だったが、幼子の時のたどたどしさはもうなかった。
我が子を目の前にして、私の中の母性が疼いた。今まで封じ込めていた幼い息子の記憶が、どっと溢れだしてきた。
腕の中にあった小さな温もり。乳の匂い。私のスカートを掴んだ小さな手。鈴を転がすような笑い声。そして、繰り返し私を呼ぶ声。
おかあさん、おかあさん……
──お母さん、ですか?
事情を話し終えた少年は、期待に満ちた声で訪ねた。
予想していた問いかけに、私は、いいえ、と首を振る。
──ごめんなさい。私はあなたのお母さんじゃないの。そういう名の知り合いもいないわ。力になれなくてごめんなさいね。
私の答えに、少年は残念そうに俯いた。うちひしがれるその姿に憐れみを覚えた私は、優しい領主夫人として少年を近くに招き、お菓子と金貨の入った籠を渡した。
──これをどうぞ。まだ幼いのに、旅は辛いでしょう。くれぐれも気をつけるのですよ。
──ありがとう、奥方様。
礼を言って籠を受け取った少年は、私の手を見てハッとした。
──……お母さんだ。
確信をもった声だった。
──あなたは僕のお母さんだ! 顔は憶えていないけど、お母さんの手は忘れない。右の掌に黒子がひとつあった。これはお母さんの手だ。
夢を掴む手だと、昔誰かが私の手を見て言った。右の掌の中央にある小さな星は、幼い頃の私の宝物だった。それが今、私の夢を砕こうとしている。
知らない、人違いだと答えても、少年は頑として聞き入れなかった。自分のことを思い出してもらおうと、憶えている限りの母との記憶をまくしたてた。
このまま騒がれて、誰かに話を聞かれるのはまずい。
私はとっさに判断して、少年をぎゅっと抱きしめた。
──ええ、そうよ。ごめんなさいね、たった今解ったわ。あなたがあんまりにも立派になっていたものだから、気づけなかったの。
おかあさん、と涙声が呼ぶ。その声を聞きながら、私の心は冷え切っていた。三度襲ってくる悪夢をどう排除するか、そればかりを考えていた。
──このまま、ここで一緒に暮らしましょう。でもね、領主様は厳しいお方なの。突然、あなたを息子だと紹介しても、きっと認めてくださらないわ。だから、少し支度をする時間をちょうだい。必ず、あなたを迎えに行くから。
このことが領主の耳に入らぬよう、決して誰にも言ってはならないと、繰り返し言い聞かせた。誰かにばらしたら親子で暮らせなくなると脅かせば、少年は神妙な顔で頷く。
── 一人で苦労したのでしょうね。ごめんなさい、悪いお母さんだったわね。あなたの話をもっと聞きたいわ。今夜、二人きりで会えるかしら。
そして私は、少年とあの廃屋で会う約束をした。誰にも言わずに一人で来ると、彼は嬉しそうに誓った。
彼を送り出した後、私はその場にへたり込んだ。
あの子に罪はない。あの子はただ、母親を求めただけ。
でも、やらなくては。
そうしなければ、私の未来が閉ざされてしまう。
これからしようとしていることは、獣にも劣る所業だろう。
それは仕方のないことなのだ。運命はいつも私に冷たいのだから。どんな手を使ってもそれにうち勝たなくては、私はきっと潰されてしまう。
もう、みじめなあの頃に戻りたくない。
そのためならば、何だってできる。
いつかの夜と同じように、私は一本のナイフを懐にそっと屋敷を抜け出して、あの廃屋へと向かった。
待ち合わせの時間よりも早く着いた私は、物陰に隠れて少年がやって来るのを待った。
しばらくして少年が現れた。きょろきょろとあたりを見回す少年は、約束通りたった一人でここに来たようだ。
誰の姿も見つけられず肩を落とした彼は、近くにあった崩れた壁の残骸にちょこんと腰かけた。
そして、待ち人が来るのが楽しみで仕方ないという風に、足をぶらぶらと揺らしている。
子供らしいその様子に、私は心を動かさないよう努めなければならなかった。
あれは悪魔の子。
見た目がどうであれ、中身は化け物なのだ。生まれた時に殺さなかったばかりに、こうして私を追いかけてきて喰らいつくそうとしている。
産んだことが間違いなのだから、この手で過ちを正さなければならない。ただそれだけのこと。
言葉通り、私は心を鬼にして、少年の背後に近付いた。吹きわたる風にかき消されて、私の微かな足音は少年の耳に届かない。
少年のすぐ後ろに立った私は、その後ろ姿に向けてナイフを振りかぶった。
だが思い切り振りおろそうとした時、その手は何故か動きを止めた。
──殺さなければ……早くこの子を殺さなければ!
気は焦るのに、どうしても腕がいうことをきかない。
背後のただならぬ気配に気づいた少年が、くるりと振り返った。その瞬間金縛りは解けたのだが、ナイフは空を切り、石壁に当たって硬い音を響かせただけだった。
とっさに身を躱した少年は、信じられないという顔で私を見ていた。
──……おかあさん?
嘘だよね、と言いたげな半笑いを浮かべて、少年は私を呼ぶ。
顔を見ずに事を成し遂げたかったのに、私は少年の目を見てしまった。その途端、私はあの理屈を超えた感情に襲われる。
ああ、私のたった一人の子!
その感情に屈しまいと、私は思い通りにならない自分の腕への苛立ちも込めて叫んでいた。
──そんな風に呼ばないで! 私はお前なんか知らない! 知らないわ、この、化け物!
少年の目が凍りつく。それでも構わず私は続けた。
──お前なんか産みたくなかった。お前は悪魔の子だわ! いつだって私の人生を滅茶苦茶にして……どうして私を捜したりしたの!? そんなことをするから、私はお前を殺さなくちゃいけなくなった!
私のことなんて忘れてしまえばよかったのよ! と私は泣き叫んだ。少年は呆然として、私の言葉を聞いている。
震える手でナイフを構えながら、私は少年に言う。
──私を母だと思うなら、少しでも私のことを思ってくれるなら、お願い、お母さんのために死んでちょうだい。お前がいる限り、私は幸せになれないの。
死んでくれと懇願しているのに、私の手は、足は自由にならない。悪夢は綺麗に消してしまわなくてはならないのに、このままでは怯えた少年はきっと逃げ出してしまう。
しかし、逃げると思った少年は、予想に反して私に突進してきた。
全力でぶつかって来た体を受け止めきれず、私は背後へとよろめく。
──……お前なんか、おかあさんじゃない。
その声が聞こえたのと、膝の後ろに何かが当たったのはほぼ同時だった。
わずかな月明かりしかないのに、怒りに燃える菫色の瞳がはっきりと見えた気がした。
次の瞬間、バランスを崩した身体は仰向けに倒れ、背中の下でバキバキと木材の割れる音がする。
膝裏にあたったのは枯れ井戸の縁で、風雨に曝されて腐った木蓋が砕けたのだと気づいた時には、私の体は真っ逆さまに井戸の底へと落ちていく最中だった。
──私に似ているところなんて、一つもないと思っていたのに……。
夢を追い求めることに熱心で、でもそれが叶わないとなると全てをぶち壊して捨ててしまう。
そんな嫌なところが、あの子は私にそっくりだ。
井戸の底で首の骨を砕くまでの短い間、私はその事ばかりを考えていた。
それがその時代の私の最期。
愚かな女の愚かな末路。
罪人に与えられる罰としては、まさにおあつらえ向きの人生。
その生涯は私の贖罪の旅の第一歩であり、最初の躓きでもあった。
私はかつて、罪を犯した。
罪は巡り巡って我が身に返り、私は愛する夫ともども非業の死を遂げることとなった。
物語はそれでおしまい──そのはずだった。
しかし、私から生まれた罪は、たちまち世界にばら撒かれた。分かたれて広まった罪を購うには、私の命一つでは間に合わなかったのだろう。私は輪廻の螺旋に落とされて、いつか贖罪が果たされる日まで繰り返し繰り返し、己から生まれた『罪』によって踏みにじられる人生を送ることとなった。
そんな目に遭っても当然だと、私は苦難の道を受け入れた。
それだけのことをしてしまったのだ。罰は甘んじて受けようと、そう考えていた。
ああ、それなのに……!
先に裏切ったのは向こうの方だ。
罰を宣告された時、私は一つ取引をした。
どんな罰でも受け入れよう、どんな苦しみにも耐え抜こう。
だけど夫だけは赦してほしい──私は『運命』に懇願した。
夫は何も悪くない。私が犯した罪に巻き込まれただけなのだから。彼はただ、私を愛し、守ろうとしてくれただけ。
夫を救ってくれるのなら、彼の分の罰も私が引き受けよう。この先百年、二百年──いいえ、例え千年の苦しみが続こうとも構わない。でも彼の魂だけは、どうか赦して欲しい。
私は必死になって、それだけを願った。
そしてその願いは認められた。
彼の魂は天国に招き入れられて、そこで私が贖罪を終えるまで待っていてくれる。私はそう信じていた。
あの館で、生まれ変わった彼と出会うまでは。
永遠の安らぎの中にあると思っていた彼の魂は、私と同じ輪廻の渦に落とされていた。
私の唯一の望みを踏みにじった運命はそれだけでは飽き足らず、彼が別の女を愛するよう、私にそれを見せつけるよう仕向けた。
裏切ったのは彼じゃない。悪魔に穢された恋人を受け止める彼の姿は、かつて罪を犯した私を守ろうとしてくれた時のものと同じだった。彼の魂はあの頃と全く変わらない。出会ってさえいれば、あの愛情は私に向けられるはずのものだったのに!
目の前で他の女に彼を奪われたことは辛かったけれど、それよりももっと辛いことがあった。
彼の魂にも罪の償いが課せられて、運命の手の内でいいように弄ばれている。そのことが他のどんな罰よりも、私にとって耐え難い苦しみだった。
約束が違うという憤りが、私の贖罪の心にひびを入れた。
何度生まれ変わっても彼の魂は地上にあり、嘆きと苦しみの中へと投げ込まれ、時には最初の死と同じかそれ以上の悲惨な最期を迎えていた。
繰り返しそれを見つめるうちに、ひびは大きな亀裂となり、真摯に償おうという気持ちを打ち砕いてしまった。
幾度苦しもうと無駄なのだ。
運命は私を赦さない。犯した罪を忘れてはくれない。
贖罪を促す声に、頷くのではなかった。あれは間違いなく罠だった。
赦しを餌に私をおびき出して、更なる罪を重ねさせるための。
ええ、全ての始まりになったあの罪は、確かに赦されるものではないわ。
でも、あれがこの世界で最も重い罪だったというの? 私が全ての人々の中で最も罪深いと?
いいえ、そんなはずがない。私はきっと選ばれただけ。運命に翻弄されて苦しむ女の姿が面白いと、喜ぶ連中の玩具として。
贖罪の意志はとうに消えた。今や私の中に残っているのは煮えたぎる怒りばかりだ。
これ以上私を、彼を、誰かの好きにはさせない。
このまま運命に従っていても救いが訪れないのなら、私が彼を救わなくてはならない。
そうよ、私が救ってみせる。この、未来永劫続く苦しみの輪廻の中から、絶対に彼を引き上げてみせる。
この渦の中に私達を繋ぎとめているのは、原罪と呼ばれるもの。
それを消し去る方法なら、長い時の中ですでに見つけてある。
遠い世界の御伽話では、こう語り継がれていたわ。
原罪を消すためには、処女から生まれた者に全ての罪を背負わせて、十字架にかけてしまえばいいのですって。
その儀式を行うための道具は、既に用意できている。
命を持たぬ人形の体は、男を知らぬ体と呼んでも差し支えないかしら。
この身の裡に閉じ込めている、かつて他人の罪を背負い、命を捧げた魂は、全ての罪を背負わせる生贄に相応しいかしら。
そのおまじないが、本当に効くかは解らない。
たとえ徒労に終わったとしても構わないわ。それなら最初からやり直せばいい。決して赦しを得られない私達は、どうせまた苦しみの生の中へと投げ込まれるのだろうから。
この世にある限り、私は冷酷な運命に抗い続けよう。
そしていつか必ず、彼を運命の手から取り戻そう。
愛しいあなた。
我が兄、我が父、我が夫。
私にとって、ただ一人の男。
私の魂のかたわれよ。
いつかこの運命から逃れられたら、二人で一緒に帰りましょう。
深い深い森の中。ただ二人でいるだけで幸せだった、あの楽園へと。
この時代の器の中。今日も私は待ち続けている。
全ての呪いから解き放たれ、彼の手を取るその時を。
※当サイトの嫌な話の楽しみ方
・カイミクが演じているお芝居だと思う
・主演女優のわがままによって、絡む相手は全て兄さんが演じる羽目になる。
・カッコいい若者からウジ虫まで全部兄さん。
・劇団兄さん状態。
・「汚れ役嫌だから、主演もお兄ちゃんがやってよ」
・「ミクさん、いい加減にしてください」
そういやRe_birthday(nm6162695←敢えてPVの方を)
の「罪が決して~」のくだりは、娘と召使だけだと緑の娘が召使を責めてるように聞こえるけど、
他のシリーズも踏まえて聴くと、原罪者が「私の罪は許してもらえない」と嘆いていて、
イレギュラーに、「そんなことはない」と救いの道を示してもらっているように聞こえるなあと思いましたよ。
↑のミクさんっていうかイヴさんはちょっと頭おかしくなってるけど、いつか救われるといいなと。
ちなみに↑の旦那は「女房が苦しんでるのにのうのうと天国に入っていられるか!」と自分で勝手に落ちてきちゃった設定。悪気なく最悪の結果を導き出すプロフェッショナルw
本家様が書く前に妄想を吐きだしちまおうぜー
……という、低い志によって制作されています。
プラトーの花(sm16681173)ネタです。
いつもの通り、無断で好き勝手書いてます。
元ネタが元ネタなので、かなりダメな人の嫌な話です。死にネタ。
お前は夢見がちな子だと、昔からよく人に言われていた。
実際それはその通りで、少女にありがちな、いつか王子様が……という夢を私はいつも胸に抱いていた。同じ年頃の娘達がそれなりの相手に次々と嫁いでいく中、分相応な縁談に頷けなかったのはその夢が捨てきれなかったからだ。
周りの誰もが褒め称える美しさを鼻にかけて玉の輿を狙っていた――という訳ではない。いえ、そんな奢りが全くなかったと言えば嘘になるけれど、一番の理由は「誰か」を待ち続けていたからだ。
私には運命の人がいる。前世から結ばれたその人は、世界中を探してでも必ず私を見つけ出してくれる。――信仰にも似たその思い込みは、幼い頃から私の胸の奥深くに何故かしっかりと根付いていた。
そんな妄想に囚われて、人並みの人生へと促す親の言葉に耳を貸さなかった。
──その報いがこれなのか。
自分の上にのし掛かる男を一瞥して、私は心の中で呪いの言葉を吐く。見た目も声も、生臭い息も、身体中を這い回る手と舌も、男の何もかもが不快でたまらない。
けれども不快感のままに金切り声を上げて男を押し退ければ、今夜の稼ぎは得られない。それだけならまだしも、逆上した男に殴られるかもしれないし、下手をしたら殺されるかもしれない。そうなったところで、世間の人々は私が悪いと言うのだろう。
娼婦がどうなろうと、身を持ち崩した女には当然の末路だと笑われるだけだ。
だから私は悲鳴をこらえて、なおざりな嬌声を上げる。いいわ凄いイクイクと言っておけば、大抵の馬鹿は満足する。
そのはずだけど――ああ、失敗。景気よく喘いだせいで調子に乗った男が、まだまだやる気になったみたい。アホ面さげて、涎垂らして、俺のはそんなにイイかと馬鹿がご満悦だ。
大きさがご自慢のようだけど、アンタ自分で思ってるほど女を喜ばせちゃいないんだよ。ただ突っ込めばいいと思いやがって、うざったいんだよ、このド下手くそ!
面と向かって罵ってやれたら、どれだけ胸がすくだろう!
でも実際はこの男をいい気にさせて、延長分の金をきっちりむしり取らなくてはいけないのだから、娼婦稼業も楽じゃない。それに常連になって欲しいとは思わないけれど、次もまた金を落としに来てくれるよう仕向けておいて損はないはずだ。
だから私は相手を殴り付けてしまわぬよう、極力この男を意識の外に放り出すために、こんな場所へと堕ちてきたこれまでの道のりを思い返していた。
のどかな村の平凡な娘が道を踏み外したのは、何もかもあの悪魔のせいだ。
あれはもう五年も前のことになるのか。
私の住んでいた村を含む地方一帯で、女性が次々と姿を消す事件が起こった。年齢も育ちも、既婚未婚も関係なく、村娘町娘から貴族や修道女、果ては王妃までもが忽然といなくなったのだ。女達に共通していたことはただ一つ――みな美しかったということだけ。
事件の真相は単純で、ある男が悪魔の力を借りて、気に入った女達を魅了しその館へと導き捕らえただけだった。魔法にかかった女達は操られて己の足で悪魔の根城へと向かったため、拐かされた痕跡は全く残っていなかった。そのことが事件の発覚を遅らせ、被害が広がる原因となった。
そして私はその館に囚われていた女達の一人だった。
そこでのことはあまり思い出したくない。というか、思い出そうとしても記憶は紫の靄の中にあって、どうにも朧気だ。はっきりと覚えているのは、魔力のためかあの悪魔が魅力的に思えてたまらず、同じ境遇の女達と身を寄せあっては、しきりにその寵愛を求めていたことと、それから……──
事件の終わりは、よくある御伽話のようだった。消えた恋人を捜し続けた若者が、事件の黒幕である悪魔の存在に気づいた。若者は知恵を働かせ、女のふりをして悪魔に近づき、相手が油断した隙を突いて見事にこれを打ち倒した。悪魔が死んだことによって術から解放された私達は、悪い夢から醒めて正気に戻り、それぞれの居るべき場所へと帰っていった。
一地方に混乱をもたらした女性大量失踪事件と聞いて世間が思い出すのは、これで全部だろう。悪魔は倒され、攫われた女達は救われた。めでたしめでたし……で、お話は終わり。
けれども私の悲劇は、ここから始まったのだった。
館から逃れ、元の自分の居場所に戻って来た女達を、残された家族や恋人、友人達は喜んで迎え入れた。命があっただけでもなによりだ。無事でいてくれて本当に良かった。妻を、恋人を、母を、娘を取り戻した人々は、心から喜んで、再会を祝福した。無事を祈り続けていた者達は、涙を流して神に感謝していた。
だが、最初の感動が去った後、人々の心に湧き上がったのは疑念と好奇だった。
村から拐かされた女は私の他に幾人もいて、皆一様に館での出来事について口を噤んでいた。よく憶えていない、何があったか解らないととぼけながら、己自身にもあれはただの悪夢だと言い聞かせていた。
しかし、事件の被害者はこの地方一帯に散らばっていて、私達が沈黙を守っていてもどこからか事件の顛末についての噂は流れてくる。
どうやらあの女達は、悪魔の城に囚われて慰み者にされていたらしい。
ひそひそと語られる噂話は、退屈しのぎの艶話としてあれこれ脚色をつけられて辺り一面にばら撒かれた。
曰く、あの女達は悪魔の手によって、淫蕩な売女に仕立て上げられたらしい。
また曰く、男なしではいられない身体にされて、夜な夜な相手を求めては街を彷徨っているらしい。
その他にも、一度に四、五人は相手にしないと治まらないらしいだとか、男が死ぬまで絞り取ろうとするだとか、人間の男では満足できずに牛や馬を相手にしているだとか、聞くに堪えない酷い話が、面白半分に伝えられていた。噂を広めたのは男達だけでなく、女達も熱心に加担した。被害者である女達が美しかったことから、そうでなかった者達はやっかみも手伝って、噂に悪意を織り込んでいった。
あの連中は攫われて淫乱になった訳じゃない。前々から美貌を鼻にかけて、そこら中の男に思わせぶりな態度を取っていたじゃないか。最初からそんな女だったから、簡単に悪魔の誘いに乗ったんだ。
そうやって私達を貶めることで、自分とは人種が違うと線を引き、己を安全な位置に置こうとする女達は少なくなかった。
そして私達は、その噂に反論せず、ただじっと耐えていた。
言い返すことができなかったのは、その噂の一部が真実だったからだ。
悪魔に穢された女──それは動かしようのない事実だった。操られていたとはいえ、あの悪魔を欲し、求め、身を任せた。その証拠に、私はもう処女じゃない。朧気な記憶の中でも、悪魔と身を交えて悦んでいたのは確かだった。
噂に言い返せば、そこを突かれる。己がもう神聖な結婚にも、貞淑な妻にも相応しくない身体だと、自ら認めるのは耐えられなかった。
早くこの嵐が通り過ぎますように。早く皆の記憶からあの忌まわしい事件が消えますように。
そう祈りながら待つだけの日々にも、被害者を取り巻く状況はどんどん悪化していた。
酷い噂に耐えきれず、また己の穢れた身体を恥じたのか、被害者の一人である若い娘が首を吊った。
またしばらくして、人妻であった被害者が夫の手で殺された。不貞に対する罰だという夫の言い分は認められ、彼が妻殺しで裁かれることはなかった。
周りの好奇の目を避けて、夜逃げのように遠方の村へと嫁いだ娘もいた。その他にも、折角帰って来たというのに忽然と姿を消した女もいた。
物好きの金持ちに買われて妾として連れていかれた娘も、街に出て自ら娼婦に身を堕とす者もいた。
同じ被害者の身に次々と不幸が降りかかるのを耳にしながら、私は家に閉じこもり、他人と関わることをやめた。帰って来た時に心から喜んでくれた家族は、そんな私を腫れ物に触るかのように扱った。事件のことには一切触れず、けれども憐れみと疎ましさの混じった視線を私に投げつけていた。浮ついた夢を持っていたからあんな事件に巻き込まれたのだと、私に隠れて愚痴を零していたこともあった。美しく、父と母の自慢だった娘は、一族の厄介者に成り下がった。
ただ時間が過ぎるのを待つ私の身に、他のどの被害者よりも大きな災難が降りかかったのは、事件から二ヶ月が過ぎた頃のことだった。
人目を避け、縫物や機織りをしてひっそりと暮らしていた私は、突然の吐き気に襲われた。こんな鬱屈した生活のせいで体調を崩したのか。そう考えていた私の傍らで、母が真っ青になっていた。爪が食い込むほどの力で私の肩を揺さぶった母は、怖い顔をして「月のものが最後にあったのはいつ?」と尋ねた。
その質問で、私は母が何を恐れているのかすぐに気づいた。同じ恐怖に感染した私は、ひいっ、と悲鳴をあげ、嫌だ、嫌だと半狂乱になった。
あの館での出来事が、そういう結果を招くことは充分に考えられた。あそこには大勢の女達がいたけれど、私はその中でも悪魔に気に入られていた方だった。事件が終わりを告げる少し前に、悪魔の相手をした憶えがあった。
母の危惧が本当のことならば、胎の中にはあの悪魔の子がいる。私は自分の身体が魔物に乗っ取られ、内側から食い破られているように思えた。
母は泣き叫ぶ私を抱きしめて、大丈夫だと繰り返した。お母さんがなんとかしてあげる、と宥めた母は、村のまじない女から薬の小瓶を貰ってきた。
──これさえ飲めば大丈夫。誰にも内緒で流してしまえばいい。
母が差し出す薬を、私は躊躇いもせず飲み干した。呪われた子を産むつもりなど、毛頭なかった。一刻も早くなかったことにしたかった。
けれども子は流れなかった。流石は悪魔の子という訳か、まじない女の秘薬は通用しなかった。
逃げ道を塞がれて、私は現実から目を背けた。薬が効かないのは、孕んでなどいないからだ。月のものが止まっているのは、辛いことが続いたからだ。ここに悪魔の子なんていない。そんな事はあってはならない。
神様、神様! どうか私をお救いください! 敬虔な娘になります。浮ついた望みはもう持ちません。だからどうか、この苦難を取り去ってください!
私は己の腹に手を当て必死に祈った。その願いさえ叶うなら、残りの一生を神に捧げてもいいとさえ思った。
しかし、祈りが届くことはなく、私の手の下でおぞましいものを宿した腹はどんどんせり出してきた。そしてついに、父の知るところとなった。
私の異変を知った父は、私を殺そうとした。村の誰もが、私の身に起きた事件を知っている。胎の子の父親が誰なのかは、言わずとも解るだろう。
悪魔の子が生まれたとなれば、私だけでなく一家全員が迫害の対象になる。可哀想だが死んでくれ。
私の首を絞めながら、父は悲愴な顔で言った。その父の手を引き剥がし押しとどめた母は、逃げなさい、と私に叫んだ。私は取るものもとりあえず家を飛び出し、村から一目散に逃げ出した。
身一つで村を出た私は、近くの街にたどり着くのがやっとだった。銅貨一枚も持たず、宿に泊まることさえできなかった。
街角に蹲る私に、幾人かの男が声をかけた。その殆どは私が身籠っていることを知ると立ち去ったが、ある男はそれも面白いと私を安宿へ連れていった。
自分の意志で身体を売ったのは、その時が初めてだった。
お金が欲しかったのも事実だが、それ以上に、そうすることで胎の子が流れてくれることを願った。私の中に押し入ってくるものが胎の中の化け物をずたずたにしてくれればいいのにと、事の最中にそんなことばかりを妄想していた。
勿論、そんな妄想は現実になどなりはしない。
身体を売って幾ばくかの金を得る度に、私は次の街へと移っていった。少しでも故郷から離れたかった。あの忌まわしい事件を知る人のいない地へ逃げることしか考えられなかった。
どんなに遠くへ逃げ出しても、胎の子からは逃げられないというのに。
路銀のために身体を売る荒んだ生活も、街から街へ旅をする過酷な暮らしも、悪魔の子を殺してはくれなかった。いくら疎んじてもそいつは私の中ですくすくと育ち、内側から蹴飛ばすまでになった。子を産むために変わっていく自分の身体も、別の生き物に乗っ取られたように思えて、ただただおぞましかった。いっそ狂ってしまいたいと何度も思った。
産み月が近くなると、ろくに客を取ることもできなくなった。
手持ちの金も尽き、たった一人の逃避行を続けることも叶わなくなった私は、いよいよ覚悟を決めた。
自分はもう、死ぬしかない。
ならばせめて、悪魔の子を産み落とす前に死のう。こんな事ならあの時、父の手にかかって死ぬのだった。
自分の不幸を嘆く気力もなく、私は呆けたようになって、訪れたばかりの街に流れる川の中へと入っていった。真夜中の暗い川に腰まで浸かったその時に、私は背後から腕を引かれた。
死なせて、と泣き喚く私に、早まってはいけないと、その誰かは語りかけた。丸一日何も食べていなかった私は腕を振り解く力が出ず、ずるずると岸に引きずり上げられてしまった。
──若い娘が命を粗末にするもんじゃないよ。
自殺の邪魔をした男は、優しい声でそう言った。それから私の腹を見て、事情は色々あるんだろうがね、と同情を表した。
その男は私よりも背が低く、太っている上に猫背で、はっきり言って醜男だった。父と変わらぬ歳にも見えるが、団子を潰したような顔立ちが年齢を曖昧にしていた。時々裏返る甲高い声は妙に神経を引っ掻いて、この男が信用ならぬ相手だと伝えているかのようだった。そして、その印象は正しかったと間を置かずに知るのだが、その時の私は事件以来初めて他人から与えられた労わりに、すっかり心を許してしまった。
事件のことはぼかしつつも、私は自分の身の上を男に話した。産んではならない子を宿し、金も行くあてもなく、もう死ぬしかないのだと泣きながら訴えた。
私の話を一通り聞いた男は、そういう事なら心配はいらないと自分の胸を叩いた。
男が経営する店で、下働きを探している。住まいも食事も提供しよう、そこで安心して子を産むといい。
それが無償の善意ではないと、その時から薄々気づいていたように思う。けれども他にあてのない私は、男についていくしかなかった。
着いた先は、娼婦たちが根城にしている連れ込み宿だった。娼館なんて上等なものじゃない。街角に立つ女達が客を引っぱり込む場所で、男はその宿の経営と街娼たちの元締めをしていた。この辺りで身体を売るにはそういう男達の庇護下に入らなくてはならないという不文律が、その街にはあった。
男が私を助けたのは、新しい商品が手に入ると思ったからだろう。子供を産んだ後には娼婦として客を取らせるつもりで、私をここに連れてきたのだ。
私はそれでも構わなかった。していることは今までと同じだ。邪魔な子供を産み捨てたら、男の目を盗んで逃げ出したっていい。
それに、同じ境遇の女達に囲まれた暮らしは、私に安らぎを与えてくれた。村の人々のような軽蔑の視線を、彼女達が私に向けることはなかった。大きな腹を抱えた私を見て、子持ちの娼婦の一人は「アンタもドジ踏んだね」と親しげに微笑んだ。本当は産みたくないのだと嘆く私に、彼女は、自分もそう思ったけれど産んでみると考えが変わるよ、と慰めの言葉をかけてくれた。
そんなことはありえない。これはただの子供じゃなくて、悪魔の子なのだから。決して愛せるはずがない。
私はそう信じて疑わなかった。陣痛の痛みに耐える最中でさえ、これでやっとこの化け物から自由になれると、産んだらすぐに床に叩きつけて殺してしまおうかとまで考えていた。
それなのに、生まれた赤ん坊を抱いた瞬間、私の中で不思議な変化が起きた。
産婆の手から受け取った子供は、赤黒くて、ぐにゃぐにゃと頼りなくて、けれども確かに温かかった。
生きているのだと、そう思った。小さい体で精一杯に泣いて、自分は生きたいのだと必死に訴えていた。
疎ましいばかりの化け物だと思っていたのに、腕の中にあったのは小さな一つの命だった。
思わず涙が零れ落ちた。
我が子なのだと初めて感じた。殺してしまいたいという気持ちは、この手で触れた瞬間に消えてしまった。
乳を含ませ、懸命にそれを吸うのを見た時には、捨てるという選択さえ思い浮かばなくなっていた。
この子は私がいなくなれば、きっと生きていけないだろう。
二度と故郷に戻れない私にとって、この子は残された唯一の肉親でもあった。世界中でこの子だけが、私を必要としてくれていた。
──この子のために生きていこう。
理屈もなくそう思った。それは母親としての本能だったのかもしれない。
村を出てから逃げることと死ぬことしか考えられなかった私は、憎んでいたはずの子によって生きて踏みとどまる力を与えられた。
乳飲み子を抱えては、別の街に行くことも新しい仕事探すこともままならなかったから、私はそこで娼婦の仲間入りをした。
いつか親子二人で日の当たる世界に出ていくための金を貯めているうちに、たちまち数年が過ぎていた。
しつこい客からやっと解放され、媚びておだてて延長分を毟り取った私は、後始末を済ませてから寝床の上にぐったりと横になった。
時刻はもう真夜中を過ぎていた。今夜はこれで店じまいだ。無理な姿勢を取らされたせいで、節々が痛くて仕方ない。あの客が朝まで泊らなくて本当に良かった。
四つになる息子は、他の娼婦の子供たちと一緒に下働きの婆さんが面倒を見てくれている。こんな夜中に迎えに行って、起こすこともないだろう。
以前はそれでも、そっと足音を忍ばせて寝顔を見に行った。安らかに眠る我が子を見ると、一日の疲れが癒えるようだった。
それなのに近頃は、そんな気も起きなくなっていた。
生まれた我が子を抱いた時に湧きあがった感情は嘘ではなかった。だが私は、徐々にあの子を愛せなくなっている自分に気づいていた。
か弱く頼りなかった赤子は日に日に成長し、這い、立ち上がり、二本の足で歩き始めた。一つの命を分かち合ったかのように私にしがみついていた子は、私の腕から抜け出して辺りを駆けるようになり、鸚鵡返しばかりだった言葉も、つたないながら自分の意志を語るようになった。
母親として喜ばしいはずの子供の成長が、私には逆に作用した。あの子が私から離れ、違う意思を持つ一人の人間なのだと感じる度に、自分とは相容れない異質なもののように思えた。
息子は美しい子供だった。成長するにつれてはっきりとしていく目鼻立ちは、あまり私に似ていなかった。
「父親」の顔は殆ど憶えていない。けれども私に似ていないのなら、きっとそちらに似たのだろう。
私の人生を滅茶苦茶にしたあの悪魔に。
生まれた時は鮮やかな青だった瞳は、いつの間にか菫色を帯びていった。その色を見る度に、あの子を産んだ日の感動が薄れていくようだった。
そうなるにつれて、私は繰り返しある夢を見るようになった。
青い瞳。
館に囚われていた頃の、数少ない、そして最も鮮やかな記憶。
ただ一度会っただけなのに、その人の姿は私の脳裏に焼き付いて今でも色褪せない。
初めて見たその人は、秋の空のような清冽な青のドレスを身に纏っていた。
肩に垂らした髪は輝く黄金。瞳はドレスの青に負けないほどの、深い深い海の色。
すらりとした長身の、綺麗な女性だと思った。
ハーレムの一員に加わるに相応しい美貌の人は、けれどもここの誰よりも美しい訳ではなかった。それなのに私は、その人から目が離せなかった。
仲間に加わるということはハーレムの主の寵を奪い合うライバルでもあるはずなのに、どうしてこんなにも惹かれるのだろう。
奇妙な感情に戸惑う私の前で、その人は突然、悪魔に刃を突き立てた。それから己の金髪の鬘をむしり取り、重ね履きのスカートをはぎ取る。
変装を解いた後に現れたのは、艶やかな短髪の、美しくも勇ましい若者だった。
──ああ、やっと巡りあえた!
その瞬間、心の奥底でそう叫んでいた。
彼こそが私の運命の人なのだと確信した。悪魔に魅了されていた時でさえ、抱いたことのない感情だった。
彼は紫の血を流して倒れ伏す悪魔に向かって、断罪の言葉を浴びせた。恋人を奪われた絶望と怒りを、それでも希望を捨てずに彼女を捜し求めたことを、苦難の末にここに辿り着いたことを、悪魔の罪とともに語った。
その口上を聞いていた私は、その恋人が自分のことだという気がしてならなかった。
彼は初めて会う人だった。その優雅な立ち居振舞いは貴族のものに間違いなく、村娘との接点などあるはずもない。
それなのに私の心は、彼だとしきりに叫んでいた。
そして彼は、歓喜と慈愛の表情を浮かべて私の元へと歩いてきた。その腕で私を包み込んでくれる──そう信じる私の傍らを素通りして、彼は背後にいた女をひしと抱き締めた。
ハーレムの中で最も気位が高かった女は、彼の腕の中で泣きわめいていた。こんな過ちは許されない、死んで汚辱を雪ぐしかないと嗚咽混じりに訴え、彼はそれを宥めていた。
――貴女に何の罪があるというのですか。全ては悪魔の仕業であって、貴女はかつてと同じ清いままだ。いや、そんなことはどうでもいい!
嘆く女をかき抱いて、彼は切々と語りかける。
――貴女は私の命です。貴女なしでは生きてなどゆけない。失ったと思っていたその命が、この腕の中に戻ってきてくれた。こうしてただ側にいる、それだけで充分です。他には何も望まない。
恋人からの愛の言葉に、女はただ泣くばかりだった。その近くで芝居のクライマックスのようなやり取りを眺めていた私は、彼女に自分の役を奪われたような気がしてならなかった。
──どれほどの過ちを犯そうとも、この手を罪に汚そうとも、「彼」はいつだって許して受け入れてくれる。その腕に抱かれるのは、私であるはずなのに──
頭の奥で声がした。初対面の相手に対して抱くには、不可解な感情だった。
結局彼は私に目もくれず、取り戻した恋人と手に手を取って去っていった。雪崩を打って逃げ出す女達の合間にその後ろ姿を見たのが最後で、その後一瞬たりとも彼の人生と私の人生が交わったことはない。
それなのにどうして、繰り返し彼のことを思い出すのだろう。
うとうととまどろみながら、私は彼が救いに来てくれる日を思い描いた。
夢の中で薄汚れた淫売宿は、あの退廃の館へと変わった。館の扉を開け放った彼は真っ直ぐに私のもとへとやって来て、助けに来たのだと抱きしめてくれる。
──ええ、私もずっと待っていたわ。さあ、早くここから連れ出して。私の半身。私の夫。私の最愛の──
彼の名を呼ぶ寸前で、私はいつも目を覚ます。知っているはずのその名をどうして口にできないのだろうと疑問に思って、彼の名を知るはずもないじゃないかと自嘲する。
そしてその夢から覚めた後は、ここは自分の居場所じゃないという違和感に苛まれた。その違和感は日が経つにつれて大きくなっていった。
だから、今夜が特別だった訳じゃない。この日たまたま、母親としての理性に限界が訪れたというだけのことだ。
ここから逃げよう──そう決めた。
待っていたって彼は来てくれない。彼は私を知らないのだもの。助けに来てくれる訳がない。
それなら自分で何とかしないと。
お金はある。貯め込んだ分は親子で安心して暮らすには心許ないけれど、一人で逃げ出すには充分だ。
子供はこのまま置いていくことにした。
父親に似ていく子をこれ以上見ていたら、いつか愛情のひとかけらも抱けなくなる。ひょっとしたら、そのうちまた殺したくなるかもしれない。どうしたってあの子は、あの悪魔の子なのだから。
見た目が綺麗なあの子は、娼婦仲間のお気に入りだ。捨てていっても誰かが面倒を見るだろう。
本当なら生まれたその日に殺すつもりだったのだ。ここまで育ててやっただけで、もう充分じゃないか。
私は何かに突き動かされるように、身支度を始めた。ここを出ていくなら今しかないという気がしていた。
自分のねぐらに帰り、他の娼婦達が戻ってくる前に荷物をまとめた。持っている服の中から一番地味な、できるだけ堅気の女に見えるような物を選んで身に纏い、金と身の回りの物を持って気づかれないように夜明けの街へ飛び出した。
市場に向かうと、既に幾人かの商人が仕事を始めていた。この街で朝一番に品物を仕入れて隣町に売りに行くという一人に、一緒に連れて行ってくれと頼み込んだ。隣町に住む母親が病で死にそうなのだと嘘を吐いた。銀貨を数枚握らせると、商人は喜んで私を荷馬車に乗せてくれた。
街を出ると、丘の向こうから朝日が昇っていた。
──ああ、自由だ!
私は胸の中で叫んでいた。あの館に囚われて以来失っていた私の人生が、やっとこの手に戻って来たのだ。
置いてきた子の顔が一瞬脳裏をよぎったが、それを最後に忘れることにした。お互いその方が幸せなのだと、勝手に決め付けた。
隣町に着くと、私はすぐに次の街を目指した。一刻も早く、できるだけ遠くに行きたかった。
あの忌まわしい事件を知らない土地へ。あの薄汚れた街と関わりのない場所へ。
旅を続けながら、私は名を変え、出自を偽った。一人旅の理由は、両親を失い、あくどい親類に家と土地を奪われたため、遠い縁者のもとに身を寄せる途中だということにした。
年齢は五つサバを読んだ。そうすることで、あの事件との関わりを疑われないようにしたかったのも事実だが、それ以上に何もかもなかったことにしたかった。
その嘘は人を騙すというよりも、自分に言い聞かせるためのものだった。
全てを失った十八の時からやり直そう。この五年間は、ただの悪い夢だったのだ──と。
街から街へと旅をして、やがてたどり着いたのは高原の町だった。街道の一つの終着点であるその町はそれほど豊かではないけれど、のどかで平和な町だった。行き交う人々はみな穏やかで、他所者の私にも微笑んで挨拶をくれた。
私はこの町に根を下ろすことに決めた。故郷も、あの淫売宿も、ここから遥か彼方にあった。ここまでくれば、私を見つけて過去を暴きたてる者など現れないだろう。
この地で生きていくために、まずは仕事を探すことにした。食べていくためとはいえ、もう二度とあんな浅ましい真似はしたくない。そう決めた私は、町の教会を訪ねた。現れた神父に、これまで繰り返し口にした偽りの過去を話した。ただその最後には、頼りにしていた縁者が既に亡くなっていて、行くあてがないのだと哀れみたっぷりにつけ加えた。
事情を聞いた神父は、大いに同情してくれた。しかし、その次に彼が発した言葉は、私の期待を裏切るものだった。
──では、花売りの仕事を紹介しましょう。決して楽な仕事ではないけれど、貴女のような人ならぴったりだ。
私は耳を疑った。まさか教会でこんな侮辱を受けるとは思わなかった。
花売りは娼婦の代名詞だ。それが私にぴったりだとは、一体どういう意味なのか。娼婦としての自分はあの街に捨ててきたはずなのに、神父は一目で私の過去を見抜いてしまったのか。
衝撃が顔に現れていたのだろう。それを見た神父は目を瞬かせてから、これは失礼、と破顔した。
──これはいけない。貴女は外の生まれでしたね。ここでは、「花売り」にそういう意味はないのですよ。
侮辱したつもりはないので気を悪くしないでください、と微笑んだ神父は、私が働く場所へと案内する道すがら、この土地に根付いた風習について語り聞かせた。
高原にあるこの町では、花は貴重なものだった。朝夕の寒さから守り、雨の少ない時期にはこまめに水をやり、毎日手を入れてやらないと咲かせることすらままならないからだ。
貴重な花は、神への信仰を表すのに使われていた。
婚儀や葬儀だけでなく、特別な願い事がある時に、与えられた恩寵に感謝を示す時に、人々は花を供え神に祈りを捧げるのだそうだ。
そこから転じて、恋人に思いを伝える時や、家族に感謝を表す時にも花が用いられるのだという。
そして、肥沃とは言えない土地で、人々の祈りを背負うに相応しい大輪の花を育てる花売りは、その仕事の辛さと神聖さから修道士のような扱いを受けているという。
──なかなか手間ひまのかかる仕事です。両手は荒れるし、ろくに休みも取れないから、若い娘さんには辛い仕事かもしれない。
それでもよければ、と言う神父に、私は二つ返事で頷いた。真っ当な職に就けるのなら、多少の苦労は厭わなかった。
始めてみると、確かにそれは楽な仕事ではなかった。斜面だらけのこの土地では、水汲みや肥料運びだけでも一苦労だ。土と水に塗れた手は、高地の冷たく乾燥した風になぶられて、たちまちあかぎれだらけになった。
けれどもそんなものは、身体を売った後に身支度を整えている時のみじめさに比べたら何でもなかった。日の光の下で、堂々と顔を上げて働けることの方が何倍も嬉しかった。
礼拝がある曜日には、丹精込めて育てた花を籠いっぱいに摘んで、教会前の広場に立った。地形とその凡庸さから他国に攻め込まれたことのないこの町は他所者に寛容で、突然花売りとして住みついた私を、人々はすんなりと受け入れてくれた。
──いつもの婆さんじゃないのかい? いやあ、綺麗な娘さんから受け取ると、同じ花が一段と立派に見えるね。
そんな陽気な挨拶をしながら、私が差し出す花を受け取った。硬貨を渡す手つきも、花を受け取る仕草も、どこか恭しかった。私を蔑み、投げつけるように金を置いていったあの客達とは大違いだ。
いいえ、違うのは客じゃない。変わったのは私の方だ。私はもう、薄汚い娼婦じゃない。誰にも恥じるところのない、ただの少女に戻ったのだ。
そのことが嬉しくて、私は花を渡す度ににっこりと笑った。
さあどうぞ。神様のためにこの花を。大切な人のためにこの花を。どうかあなたの祈りが届きますように。あなたに幸運が訪れますように。
花を売りながら笑顔と祝福をふりまく私に、人々も笑みを返してくれた。私を取り巻く空気は、善意と厚意に満ちていた。
花売りとしての私は、他所者のもの珍しさもあって、すぐに町の人気者になった。仕事を始めて三月もしないうちに、町のほとんどの人たちと親しく言葉を交わせるようになった。
中でも若い男達はあからさまな好意を示したけれど、私は他の人に贈るのと同じ笑みで受け流した。男のせいで人生を踏み外すのはもう沢山だと、私は慎重になっていた。そんな私の振る舞いは、身持ちの堅い娘だという評判につながった。
人々は私を褒めそやした。見た目の美しさだけでなく、中身も立派な娘だ。そう称えられる度に、私は舞い上がりそうだった。
ええ、そうよ。これが本当の私。村のみんなの憧れの的だった、私の正しい姿なんだわ。
そう実感する度に、悪夢は意識の奥へと沈み、薄れていった。
時折、小さな男の子が花を買いに来る時には、記憶の奥底がじわりと疼く。しかし私はその微かな痛みを、なかったこととして無視し続けていた。
それからしばらくして、私はこの町を治める若き領主から求婚された。
領主は以前、広場で花を売る私の姿を見て見初めたのだそうだ。最初に目に留まったのはこの容姿だが、心映えも立派な娘だと知り、ますます惹かれたのだと言った。
私は最初その話を、畏れ多いと断った。突如舞い込んだ幸運に天にも昇る心地だったが、その地の権力者との婚約が私の過去を洗い出すことにならないかと不安になったからだ。
それでも領主は二度三度と、私に結婚を申し込んでくれた。その熱心さに負けた私は、不安を乗り越えて彼のプロポーズを受け入れることにした。
いいえ、本当は彼と出会った瞬間から、この人にしようと決めていた。
他所者の私など領主の妻に相応しくない。そう言って躊躇う私に彼は、そんなことはないと笑った。
──ここでは昔から、外から移り住む人々を稀人として丁重に扱う風習があるのですよ。ほら、私の祖先が外からの花嫁を娶った証拠がここにあるでしょう。
そうして彼は、自分の瞳を指し示した。
茶色の瞳の人々が多く住む土地の中で、彼の瞳は明らかに外界からもたらされたものだった。
何故か懐かしく感じる、深い深い海の青。
最初からその色が、私の心を捕えて離さなかった。
結婚が決まってからも、私の幸運に変わりはなかった。
町中の人々がこの婚約を祝福してくれた。広場で会う人々は、口々に祝いの言葉をくれた。これで私も本当の町の一員になると、ずっとここにいてくれるのが嬉しいとも言ってくれた。
おおらかな気風なのか、彼の一族によって私の過去が調べあげられることはなかった。今の貴女を見れば立派な娘さんだと解ると、そう言われただけだった。
身よりのない私のために、嫁入り支度は全て彼の方が整えてくれた。結婚にあたっては、居候先の老夫婦が親代わりを務めることになっていた。
都合の良い夢のように、全てが順調だった。上手く行きすぎていて怖いくらいだったが、あの悪夢との帳尻合わせだと思えば尤もだという気がした。散々苦難を味わった分だけ、幸せがやって来るものなのだろう、と。
やはり私は、夢見がち過ぎるようだ。
世間はそんなに甘くないのだと、嫌というほど辛酸を舐め尽くした後だというのに、気づくことができなかった。
運命が私に、そんな優しい真似をするはずがない。
あまりに都合が良すぎる幸運は、次なる苦難を際立たせるための罠だったのだ。
私の結婚話はすでに町中が知っていたけれど、一応形式にのっとって公に婚約を発表することになった。
それを翌日に控えたある日、一人の男が私を訪ねてきた。
――美しい奥方様に、是非とも祝いの品を贈りたいと思いまして。
慇懃無礼に口上を述べる男の醜い顔は、忘れようのないものだった。
私は悲鳴を上げそうになるのをこらえながら、婚礼はまだなのだから奥方様だなんて気が早い、と無理矢理笑みを浮かべるのが精一杯だった。
――ええ、ええ、まだでしたねえ。
下卑た笑顔での台詞は、明らかに脅しだった。お前の婚礼など簡単に潰せるのだと、暗に伝えていた。
旅の商人として現れたそいつは、あの街で私を娼婦として飼っていた男だった。
贈り物として渡されたのは、安っぽい飾りがゴテゴテとついた手鏡だ。そばにいた親代わりの老夫婦は、こんな安物を贈るだなんて余程見る目がない商人だと呆れたが、私は笑うことができなかった。
その手鏡は、あの淫売宿にあった物だったからだ。
去り際にわざと間違えて呼んだ名前は、私の本名だった。
手鏡に添えられた手紙を、私は老夫婦に見つかる前にさっと隠した。手紙には、今夜町外れの廃屋で待つ、とあった。
行けばろくなことにならないのは解っていた。しかし、行かなければ全てを暴露されるだろう。
消えたはずの悪夢は、幸せを掴む寸前になって私を連れ戻しに来たのだ。
早く何とかしなければ。
誰かを頼ることはできない。一人で何とかしなければ。
私は物置からひとふりの鉈を持ち出して、黒の外套を頭からすっぽりとかぶり、深夜待ち合わせの場所に向かった。
そこにいた男は、私を見て馴れ馴れしく声をかけた。
――お前によく似た女を見たっていう噂を聞いてな、試しに来てみたら、おい、大出世じゃねえか。領主様の花嫁だって?
しかも二十って何だよ、と男はしばし笑い転げた。
それから男は、訊いてもいないのに自分の身の上について延々と話した。愚痴と恨み辛みがたっぷり含まれた物語は、単に商売に失敗して街を追い出されたというものだった。
そして私を金づるにするために、探し当てたというわけだ。
――少しばかり用立ててくれないか。命の恩人の頼みだろう。
黙ったままの私に苛立った男は、台詞に解りやすい脅しを織り込んできた。
――領主の奥方様になるんだから、金に不自由はしてねえんだろう? 折角の縁談を、お前だって台無しにしたくないだろうが。
それともナニか? と男は嘲笑う。
――相手は全部承知の上か? 田舎者の坊っちゃんを手練手管で骨抜きにしたか? まあ、そのくらいお手のもんだろうな。俺がたっぷり仕込んでやったんだから。何ならダンナに教えてやろうか? お前をどんな風に淫売に仕立てあげてやったかをさ。
ああ、可愛い六つのガキがいるってこともいってやらないとな、と男は私をねめつける。
――……お願い誰にも言わないで。
私は男に口止めを頼んだ。声が震えたのは怒りを堪えたためだが、相手は私が怯えていると思ったようだ。
――俺だってお前の幸せの邪魔はしたくないさ。だから、なあ……解るだろう? 世間は持ちつ持たれつと言うじゃないか。
再び媚びるような声で、男は沈黙の見返りを要求した。私はそんな男に、硬貨の入った皮袋を差し出した。
――婚礼前だからこれしかないの。今はこれで勘弁してちょうだい。
男は皮袋をひったくるようにして受け取ると、紐を解いて早速中身を改めた。
――へへ、話がわかるじゃ……
男が金の確認に気を取られている間に鉈を構えた私は、男が顔を上げた瞬間を狙って首筋にそれを叩き込んだ。
何が起こったのか解らないという顔をする男に構わず、私は鉈を引き抜いた。ぱっくりと開いた傷口から鮮血が噴き出し、私の外套に降り注ぐ。
よろめいて仰向けに倒れた男の上に馬乗りになった私は、二度三度と刃物を降り下ろした。
何が命の恩人だ! 笑わせるな!
子供を産んだらすぐに客を取れと言ったくせに。娼婦の仕事を教えてやると言って、散々嬲り者にしたくせに!
金だって半々という約束だったのに、何やかやと理由をつけてはむしり取った。もう充分に私を喰い物にしたじゃないか。
それなのに、まだ私から奪うというのか。そんな卑劣な真似を許してたまるか!
死ね! 死ね!! 早く死んじまえ、このウジ虫!
あんなどぶの中に二度と戻るもんか。私はただの娘になって幸せになるんだ。
怒りにまかせて鉈を振るった。興奮のあまり、男がいつ息絶えたのかも解らなかった。我に返ると、ズタズタになった骸がそこにあった。
罪の意識は感じなかった。これは当然の報いだと思った。
他人の人生を勝手に踏みにじろうとしたのだ。返り討ちに遭うことくらい、覚悟しておくべきだろう。自分の言いなりになっていた女だからと、侮ったからこうなったのだ。
当てにならない噂を頼ってこんな遠くまでやって来るのだから、つるむ仲間もいないのだろう。この死体さえ隠してしまえば、這い出てきた悪夢は消えるはずだ。
私は大丈夫だと唱えながら、死体を枯れ井戸の中に落とし、鉈と外套も投げ込んで元通りに蓋をした。こう暗くては血だまりを消すことはできないが、人が滅多に来ない場所だからきっと見つからないはずだ。
厄介な過去を始末して、私はこっそりと家に帰った。幸いなことに、家に着いてから雨が降り始めた。この地方では珍しい激しい雨は、私がした事の痕跡を洗い流してくれた。運命に勝った証だと、その時の私は思った。
雨は朝までには止み、埃を洗い流された町はいつもより美しかった。婚約の発表は予定通り行われ、私は町中の人々の祝福を受けた。寝不足の顔をした私は、緊張して眠れなかったのかとからかわれただけで、昨晩私が犯した罪を言い当てる者はどこにもいなかった。
その後悪夢が実体を持つことはなく、私は幸運な娘のまま領主の妻となった。身分違いの結婚だったから妻として学ばねばならないことは沢山あったけれど、夫婦の間に波風が立つことはなく、仲睦まじいまま三年が過ぎた。私は夫に大切にされ、領民たちにも慕われて、幸せな毎日を送っていた。
唯一の悩みは、子供がまだできないことだった。望まない時には簡単に妊娠したのに、心から子供を望んだ時にできないとは、何という皮肉だろう。
娼婦としての荒んだ生活に問題があったのか。それともまさか悪魔の子を産み落としたせいで、子供ができない身体になってしまったのだろうか。
思い悩む私に、夫はどこまでも優しかった。夫婦仲が良過ぎると子供ができにくいというからね、お互いまだ若いのだから焦ることはないよ、と慰めてくれた。
そんな夫を父親にしてあげられないことが申し訳なかった。早く我が子をあの腕に抱かせてあげたいと、心から願った。
早く子供が授かりますようにと、私は毎日祈りを捧げた。熱心な祈りの後に、ふと腹に手を当てると、かつての自分の祈りが耳の奥に蘇った。
──どうかこの化け物を消してください。こんな子いらない! いらない! いらない!!
その頃の私は、胎の中の我が子を消してくれと繰り返し祈っていた。
そんな女にはもう子を産む資格がないと、運命は言っているのだろうか。
いいえ、そんなはずはない。結局あの祈りは聞き届けてもらえなかったのだから。どんなに嫌だと拒絶しても、あの子は私の腹を借りてこの世に生まれ落ちてきた。
私が産んだ、忌まわしい、悪魔の子。
子供が欲しいと願うようになって、私は記憶の底に追いやったあの子のことを時折思い出すようになった。
あの子はもう、九つにもなっているのか。
別れた時は四つで、物心がつくかつかないかという年頃だったが、今は大分しっかりしているだろう。
「六つのガキ」とあの男は言っていたから、私に捨てられた後もちゃんと生きていけたようだ。きっと菫色の瞳の、美しい少年に育っているに違いない。
そうしてあの子を思う度、私は甘い愛おしさと、苦々しい憎しみとに同時に襲われた。
元気でいてくれればいいと思う。二度と見たくもないとも思う。
一度は母になったのだから、子供には幸せでいてほしい。でも、あの子がもし現れたら、今の私の暮らしは全て台無しになってしまう。
心配せずとも、あの子が訪ねてくることはないのだろうが。たった四つだったのだから、私の顔など忘れているはずだ。
どうか私の人生に関わりのない遠いところで平穏に暮らしていてほしいと、そう願った。
私の願いは、いつも踏みにじられるようになっているのかもしれない。
ある時、町はとある少年の話題で持ちきりになった。
幼い頃に生き別れた母を捜して、その少年は旅をしてきたのだそうだ。
まだ小さいのに一人で旅をしてきた勇敢さと顔立ちの美しさとで、少年は人々の注目を集めていた。
母の手がかりは名前と、美しい人だということ。年齢は二十八。それから鮮やかな緑の瞳を持った女性だということ。
何年も前に、この辺りで母に似た人を見たという噂を聞いて、はるばる訪ねてきたのだと少年は人々に語った。
次の誕生日が来れば十歳になるという少年は、菫色の瞳をしていた。
元々他所者に親切な領民たちは、健気な少年に大いに同情した。母捜しを手伝おうと少年から話を聞いた人々は、そんな名の人は知らないと残念そうに首を振った。
──緑の瞳の美しい女性なら、一人だけ心当たりがあるけれどね。領主様の奥方様さ。
そう教えた領民は、君のお母さんとは名前も年齢も違うけれどね、と付け足した。だがその話を聞いた少年は、この町でただ一人の緑の瞳の女性に会いたいと、強く願った。
気のいい人々は子供の気が済むならと、私のところに話を持ってきた。奥方様が違うと解れば少年も諦めがつくだろうと、ちょっとした施しを求めるように私に頼んだのだった。
その願いを断るのは不自然だったから、私は少年を翌日館に連れて来るよう伝えた。大ごとにしても仕方ないからと、夫には会わせずに私だけと面会するよう取り計らっておいた。
そして一人になった私は、自分の体を抱きしめてガタガタと震えた。
今頃になって、またもや悪夢が這い出てきたのか。
その子が誰かはすぐ解った。その名は私が付けた名だ。少年が語った母の名は、まさしく私の名前だった。
花売りの老夫婦は、その名を憶えているだろうか。あの男が去り際に、私をそう呼んだことを。
──どうして、どうして今になってこんな……!
私は取り乱しそうになるのを必死に抑えた。
少年は母親の容姿について、瞳の色以外語らなかった。それはつまり、母の姿を憶えていないということだ。
今の私は、名前も年齢も違う。相手はまだ子供なのだ。お前など知らないとしらを切り通せば、きっと言いくるめることができる。
これから会う少年は見知らぬ赤の他人。そう自分に言い聞かせて、私は少年が部屋に入ってくるのを待った。
子供が怯えるといけないからと理由をつけて、念のために人払いをしておいた。
しばらくしてノックの音が響き、使用人の一人が少年を私の前まで連れてきて、すぐに外へと出ていった。
私は椅子に座ったまま、背筋を伸ばして立つ少年を頭の先からつま先まで眺めた。
ああ、間違いなくあの子だ。
私は一目で確信した。初めてこの子を胸に抱いた時のように、理屈を超えたところで親子だと解った。
五年ぶりに会う息子は、想像通りの美しい少年に成長していた。
母を捜しているという事情を説明させれば、年齢以上の利発さを見せた。下層で生まれ育ったから言葉づかいは粗野だったが、幼子の時のたどたどしさはもうなかった。
我が子を目の前にして、私の中の母性が疼いた。今まで封じ込めていた幼い息子の記憶が、どっと溢れだしてきた。
腕の中にあった小さな温もり。乳の匂い。私のスカートを掴んだ小さな手。鈴を転がすような笑い声。そして、繰り返し私を呼ぶ声。
おかあさん、おかあさん……
──お母さん、ですか?
事情を話し終えた少年は、期待に満ちた声で訪ねた。
予想していた問いかけに、私は、いいえ、と首を振る。
──ごめんなさい。私はあなたのお母さんじゃないの。そういう名の知り合いもいないわ。力になれなくてごめんなさいね。
私の答えに、少年は残念そうに俯いた。うちひしがれるその姿に憐れみを覚えた私は、優しい領主夫人として少年を近くに招き、お菓子と金貨の入った籠を渡した。
──これをどうぞ。まだ幼いのに、旅は辛いでしょう。くれぐれも気をつけるのですよ。
──ありがとう、奥方様。
礼を言って籠を受け取った少年は、私の手を見てハッとした。
──……お母さんだ。
確信をもった声だった。
──あなたは僕のお母さんだ! 顔は憶えていないけど、お母さんの手は忘れない。右の掌に黒子がひとつあった。これはお母さんの手だ。
夢を掴む手だと、昔誰かが私の手を見て言った。右の掌の中央にある小さな星は、幼い頃の私の宝物だった。それが今、私の夢を砕こうとしている。
知らない、人違いだと答えても、少年は頑として聞き入れなかった。自分のことを思い出してもらおうと、憶えている限りの母との記憶をまくしたてた。
このまま騒がれて、誰かに話を聞かれるのはまずい。
私はとっさに判断して、少年をぎゅっと抱きしめた。
──ええ、そうよ。ごめんなさいね、たった今解ったわ。あなたがあんまりにも立派になっていたものだから、気づけなかったの。
おかあさん、と涙声が呼ぶ。その声を聞きながら、私の心は冷え切っていた。三度襲ってくる悪夢をどう排除するか、そればかりを考えていた。
──このまま、ここで一緒に暮らしましょう。でもね、領主様は厳しいお方なの。突然、あなたを息子だと紹介しても、きっと認めてくださらないわ。だから、少し支度をする時間をちょうだい。必ず、あなたを迎えに行くから。
このことが領主の耳に入らぬよう、決して誰にも言ってはならないと、繰り返し言い聞かせた。誰かにばらしたら親子で暮らせなくなると脅かせば、少年は神妙な顔で頷く。
── 一人で苦労したのでしょうね。ごめんなさい、悪いお母さんだったわね。あなたの話をもっと聞きたいわ。今夜、二人きりで会えるかしら。
そして私は、少年とあの廃屋で会う約束をした。誰にも言わずに一人で来ると、彼は嬉しそうに誓った。
彼を送り出した後、私はその場にへたり込んだ。
あの子に罪はない。あの子はただ、母親を求めただけ。
でも、やらなくては。
そうしなければ、私の未来が閉ざされてしまう。
これからしようとしていることは、獣にも劣る所業だろう。
それは仕方のないことなのだ。運命はいつも私に冷たいのだから。どんな手を使ってもそれにうち勝たなくては、私はきっと潰されてしまう。
もう、みじめなあの頃に戻りたくない。
そのためならば、何だってできる。
いつかの夜と同じように、私は一本のナイフを懐にそっと屋敷を抜け出して、あの廃屋へと向かった。
待ち合わせの時間よりも早く着いた私は、物陰に隠れて少年がやって来るのを待った。
しばらくして少年が現れた。きょろきょろとあたりを見回す少年は、約束通りたった一人でここに来たようだ。
誰の姿も見つけられず肩を落とした彼は、近くにあった崩れた壁の残骸にちょこんと腰かけた。
そして、待ち人が来るのが楽しみで仕方ないという風に、足をぶらぶらと揺らしている。
子供らしいその様子に、私は心を動かさないよう努めなければならなかった。
あれは悪魔の子。
見た目がどうであれ、中身は化け物なのだ。生まれた時に殺さなかったばかりに、こうして私を追いかけてきて喰らいつくそうとしている。
産んだことが間違いなのだから、この手で過ちを正さなければならない。ただそれだけのこと。
言葉通り、私は心を鬼にして、少年の背後に近付いた。吹きわたる風にかき消されて、私の微かな足音は少年の耳に届かない。
少年のすぐ後ろに立った私は、その後ろ姿に向けてナイフを振りかぶった。
だが思い切り振りおろそうとした時、その手は何故か動きを止めた。
──殺さなければ……早くこの子を殺さなければ!
気は焦るのに、どうしても腕がいうことをきかない。
背後のただならぬ気配に気づいた少年が、くるりと振り返った。その瞬間金縛りは解けたのだが、ナイフは空を切り、石壁に当たって硬い音を響かせただけだった。
とっさに身を躱した少年は、信じられないという顔で私を見ていた。
──……おかあさん?
嘘だよね、と言いたげな半笑いを浮かべて、少年は私を呼ぶ。
顔を見ずに事を成し遂げたかったのに、私は少年の目を見てしまった。その途端、私はあの理屈を超えた感情に襲われる。
ああ、私のたった一人の子!
その感情に屈しまいと、私は思い通りにならない自分の腕への苛立ちも込めて叫んでいた。
──そんな風に呼ばないで! 私はお前なんか知らない! 知らないわ、この、化け物!
少年の目が凍りつく。それでも構わず私は続けた。
──お前なんか産みたくなかった。お前は悪魔の子だわ! いつだって私の人生を滅茶苦茶にして……どうして私を捜したりしたの!? そんなことをするから、私はお前を殺さなくちゃいけなくなった!
私のことなんて忘れてしまえばよかったのよ! と私は泣き叫んだ。少年は呆然として、私の言葉を聞いている。
震える手でナイフを構えながら、私は少年に言う。
──私を母だと思うなら、少しでも私のことを思ってくれるなら、お願い、お母さんのために死んでちょうだい。お前がいる限り、私は幸せになれないの。
死んでくれと懇願しているのに、私の手は、足は自由にならない。悪夢は綺麗に消してしまわなくてはならないのに、このままでは怯えた少年はきっと逃げ出してしまう。
しかし、逃げると思った少年は、予想に反して私に突進してきた。
全力でぶつかって来た体を受け止めきれず、私は背後へとよろめく。
──……お前なんか、おかあさんじゃない。
その声が聞こえたのと、膝の後ろに何かが当たったのはほぼ同時だった。
わずかな月明かりしかないのに、怒りに燃える菫色の瞳がはっきりと見えた気がした。
次の瞬間、バランスを崩した身体は仰向けに倒れ、背中の下でバキバキと木材の割れる音がする。
膝裏にあたったのは枯れ井戸の縁で、風雨に曝されて腐った木蓋が砕けたのだと気づいた時には、私の体は真っ逆さまに井戸の底へと落ちていく最中だった。
──私に似ているところなんて、一つもないと思っていたのに……。
夢を追い求めることに熱心で、でもそれが叶わないとなると全てをぶち壊して捨ててしまう。
そんな嫌なところが、あの子は私にそっくりだ。
井戸の底で首の骨を砕くまでの短い間、私はその事ばかりを考えていた。
それがその時代の私の最期。
愚かな女の愚かな末路。
罪人に与えられる罰としては、まさにおあつらえ向きの人生。
その生涯は私の贖罪の旅の第一歩であり、最初の躓きでもあった。
私はかつて、罪を犯した。
罪は巡り巡って我が身に返り、私は愛する夫ともども非業の死を遂げることとなった。
物語はそれでおしまい──そのはずだった。
しかし、私から生まれた罪は、たちまち世界にばら撒かれた。分かたれて広まった罪を購うには、私の命一つでは間に合わなかったのだろう。私は輪廻の螺旋に落とされて、いつか贖罪が果たされる日まで繰り返し繰り返し、己から生まれた『罪』によって踏みにじられる人生を送ることとなった。
そんな目に遭っても当然だと、私は苦難の道を受け入れた。
それだけのことをしてしまったのだ。罰は甘んじて受けようと、そう考えていた。
ああ、それなのに……!
先に裏切ったのは向こうの方だ。
罰を宣告された時、私は一つ取引をした。
どんな罰でも受け入れよう、どんな苦しみにも耐え抜こう。
だけど夫だけは赦してほしい──私は『運命』に懇願した。
夫は何も悪くない。私が犯した罪に巻き込まれただけなのだから。彼はただ、私を愛し、守ろうとしてくれただけ。
夫を救ってくれるのなら、彼の分の罰も私が引き受けよう。この先百年、二百年──いいえ、例え千年の苦しみが続こうとも構わない。でも彼の魂だけは、どうか赦して欲しい。
私は必死になって、それだけを願った。
そしてその願いは認められた。
彼の魂は天国に招き入れられて、そこで私が贖罪を終えるまで待っていてくれる。私はそう信じていた。
あの館で、生まれ変わった彼と出会うまでは。
永遠の安らぎの中にあると思っていた彼の魂は、私と同じ輪廻の渦に落とされていた。
私の唯一の望みを踏みにじった運命はそれだけでは飽き足らず、彼が別の女を愛するよう、私にそれを見せつけるよう仕向けた。
裏切ったのは彼じゃない。悪魔に穢された恋人を受け止める彼の姿は、かつて罪を犯した私を守ろうとしてくれた時のものと同じだった。彼の魂はあの頃と全く変わらない。出会ってさえいれば、あの愛情は私に向けられるはずのものだったのに!
目の前で他の女に彼を奪われたことは辛かったけれど、それよりももっと辛いことがあった。
彼の魂にも罪の償いが課せられて、運命の手の内でいいように弄ばれている。そのことが他のどんな罰よりも、私にとって耐え難い苦しみだった。
約束が違うという憤りが、私の贖罪の心にひびを入れた。
何度生まれ変わっても彼の魂は地上にあり、嘆きと苦しみの中へと投げ込まれ、時には最初の死と同じかそれ以上の悲惨な最期を迎えていた。
繰り返しそれを見つめるうちに、ひびは大きな亀裂となり、真摯に償おうという気持ちを打ち砕いてしまった。
幾度苦しもうと無駄なのだ。
運命は私を赦さない。犯した罪を忘れてはくれない。
贖罪を促す声に、頷くのではなかった。あれは間違いなく罠だった。
赦しを餌に私をおびき出して、更なる罪を重ねさせるための。
ええ、全ての始まりになったあの罪は、確かに赦されるものではないわ。
でも、あれがこの世界で最も重い罪だったというの? 私が全ての人々の中で最も罪深いと?
いいえ、そんなはずがない。私はきっと選ばれただけ。運命に翻弄されて苦しむ女の姿が面白いと、喜ぶ連中の玩具として。
贖罪の意志はとうに消えた。今や私の中に残っているのは煮えたぎる怒りばかりだ。
これ以上私を、彼を、誰かの好きにはさせない。
このまま運命に従っていても救いが訪れないのなら、私が彼を救わなくてはならない。
そうよ、私が救ってみせる。この、未来永劫続く苦しみの輪廻の中から、絶対に彼を引き上げてみせる。
この渦の中に私達を繋ぎとめているのは、原罪と呼ばれるもの。
それを消し去る方法なら、長い時の中ですでに見つけてある。
遠い世界の御伽話では、こう語り継がれていたわ。
原罪を消すためには、処女から生まれた者に全ての罪を背負わせて、十字架にかけてしまえばいいのですって。
その儀式を行うための道具は、既に用意できている。
命を持たぬ人形の体は、男を知らぬ体と呼んでも差し支えないかしら。
この身の裡に閉じ込めている、かつて他人の罪を背負い、命を捧げた魂は、全ての罪を背負わせる生贄に相応しいかしら。
そのおまじないが、本当に効くかは解らない。
たとえ徒労に終わったとしても構わないわ。それなら最初からやり直せばいい。決して赦しを得られない私達は、どうせまた苦しみの生の中へと投げ込まれるのだろうから。
この世にある限り、私は冷酷な運命に抗い続けよう。
そしていつか必ず、彼を運命の手から取り戻そう。
愛しいあなた。
我が兄、我が父、我が夫。
私にとって、ただ一人の男。
私の魂のかたわれよ。
いつかこの運命から逃れられたら、二人で一緒に帰りましょう。
深い深い森の中。ただ二人でいるだけで幸せだった、あの楽園へと。
この時代の器の中。今日も私は待ち続けている。
全ての呪いから解き放たれ、彼の手を取るその時を。
※当サイトの嫌な話の楽しみ方
・カイミクが演じているお芝居だと思う
・主演女優のわがままによって、絡む相手は全て兄さんが演じる羽目になる。
・カッコいい若者からウジ虫まで全部兄さん。
・劇団兄さん状態。
・「汚れ役嫌だから、主演もお兄ちゃんがやってよ」
・「ミクさん、いい加減にしてください」
そういやRe_birthday(nm6162695←敢えてPVの方を)
の「罪が決して~」のくだりは、娘と召使だけだと緑の娘が召使を責めてるように聞こえるけど、
他のシリーズも踏まえて聴くと、原罪者が「私の罪は許してもらえない」と嘆いていて、
イレギュラーに、「そんなことはない」と救いの道を示してもらっているように聞こえるなあと思いましたよ。
↑のミクさんっていうかイヴさんはちょっと頭おかしくなってるけど、いつか救われるといいなと。
ちなみに↑の旦那は「女房が苦しんでるのにのうのうと天国に入っていられるか!」と自分で勝手に落ちてきちゃった設定。悪気なく最悪の結果を導き出すプロフェッショナルw
- | 2012-04-11 07:40
- | 小説(短編)
- |
2012年03月27日
もいいなあ……と思っていたら、
ふとこの曲(sm2819982)を思い出しました。
なんかもう、やけになって、ふっ切れちゃって、
どうせなら二度目の○年生を思いっきり楽しもうと、
バカップル方面へ全力疾走する兄さんとかいいなあw
※某アンソロの兄さんがダブってると言いたい訳じゃありません。
ふとこの曲(sm2819982)を思い出しました。
なんかもう、やけになって、ふっ切れちゃって、
どうせなら二度目の○年生を思いっきり楽しもうと、
バカップル方面へ全力疾走する兄さんとかいいなあw
※某アンソロの兄さんがダブってると言いたい訳じゃありません。
- | 2012-03-27 19:19
- | 日記
- |
2012年03月24日
プレファッチオ、パラ読みしたんですが(以下ネタバレ)
え? ガレ様浮気なの? 親友兼愛人なの?(´・ω・`)
いやいや、これはそう思わせて実は違うんだろう。ガレ様不器用っぽいしー
……とぐるぐる考えていたんですが、
無理矢理手込めにされて、言うことを聞かないとこの事を旦那にバラすぞ、やめてお願い主人だけには言わないでッ――って悶える人妻に例えたらえらいこと萌えた。
漆黒の法衣の下で淫らな肉体がうんたらなんてAVタイトルまでよぎったw
そして一番の関心は、原罪ネタと眠らせ姫ネタはカイミク小説になるのか否かという点ですよ。
まあどっちもバッドエンドな訳ですが。
大罪シリーズっていうより、各時代でひどい目に遭うアダムの魂シリーズとして期待してますw
いやいや、これはそう思わせて実は違うんだろう。ガレ様不器用っぽいしー
……とぐるぐる考えていたんですが、
無理矢理手込めにされて、言うことを聞かないとこの事を旦那にバラすぞ、やめてお願い主人だけには言わないでッ――って悶える人妻に例えたらえらいこと萌えた。
漆黒の法衣の下で淫らな肉体がうんたらなんてAVタイトルまでよぎったw
そして一番の関心は、原罪ネタと眠らせ姫ネタはカイミク小説になるのか否かという点ですよ。
まあどっちもバッドエンドな訳ですが。
大罪シリーズっていうより、各時代でひどい目に遭うアダムの魂シリーズとして期待してますw
- | 2012-03-24 08:26
- | 日記
- |
2012年03月20日
クローバークラブのラクラクでなんとか取れましたよ
- | 2012-03-20 23:14
- | 日記
- |
2012年03月14日
ねんどろ兄さんにバレンタインのお返しをさせてみた。

「ミク、他にもホワイトデーのプレゼントがあるんだけど……」
「えっ!? 嬉しい! 何? どんなの?」

「じゃーん! 我が家の新しい天使ちゃんです!」
「はじめまして!」
「……………………………………」

「………お兄ちゃんはまた、性懲りもなく他所で子供を作ってきて!!」
「いや、本気にするなよ。これはただのジョークで、しかもねんどろは卵生──」
「いいからそこに正座!!」

ネタはさておき、本妻ミクさんの新しい娘が来たので、家族写真を撮ってみました。
一男五女で、そろそろ大家族になりつつありますw

チアフルぷちミクさんのお母さんは、ねんどろサイズのチアフルミクさんが出ない限り、
応援ミクさんということにします。(応援つながり)
背景で修羅場る夫婦がいますが、お父さんは来週辺り届く同じ顔のあの人なのでご心配なく。
ちなみにmiraiのARカードで、両手に花なミクさんを撮ってみましたよ。

上手い人ならもっと、実在してるみたいに撮れるのかなあ。

逆バージョン。

大きさいじると、かなり娘っぽくなりますよ。

「ミク、他にもホワイトデーのプレゼントがあるんだけど……」
「えっ!? 嬉しい! 何? どんなの?」

「じゃーん! 我が家の新しい天使ちゃんです!」
「はじめまして!」
「……………………………………」

「………お兄ちゃんはまた、性懲りもなく他所で子供を作ってきて!!」
「いや、本気にするなよ。これはただのジョークで、しかもねんどろは卵生──」
「いいからそこに正座!!」

ネタはさておき、本妻ミクさんの新しい娘が来たので、家族写真を撮ってみました。
一男五女で、そろそろ大家族になりつつありますw

チアフルぷちミクさんのお母さんは、ねんどろサイズのチアフルミクさんが出ない限り、
応援ミクさんということにします。(応援つながり)
背景で修羅場る夫婦がいますが、お父さんは来週辺り届く同じ顔のあの人なのでご心配なく。
ちなみにmiraiのARカードで、両手に花なミクさんを撮ってみましたよ。

上手い人ならもっと、実在してるみたいに撮れるのかなあ。

逆バージョン。

大きさいじると、かなり娘っぽくなりますよ。
- | 2012-03-14 00:05
- | ねんどろ
- |
2012年03月12日
SSなんて無理だよ!! OKを2つまで減らせたけど、これ以上はキツイよ!
最初は嬉しかったフルコーラスが、SS狙うときには最大の敵になるなんて……
そんなこんなでmiraiざんまいですが、
最近のお気に入りは某画像掲示板のミクダヨーさんコラです。sm17213919
着ぐるみとしては良く出来てるのに、このコレジャナイ感はなんなんだろうw
最初は嬉しかったフルコーラスが、SS狙うときには最大の敵になるなんて……
そんなこんなでmiraiざんまいですが、
最近のお気に入りは某画像掲示板のミクダヨーさんコラです。sm17213919
着ぐるみとしては良く出来てるのに、このコレジャナイ感はなんなんだろうw
- | 2012-03-12 21:41
- | 日記
- |










